2016年12月17日 (土)

主治医の前では患者になる医師

Coffee_cap 前回の記事で書いたように、声帯ポリープの手術を全身麻酔で受けた。患者として手術を受けたり、入院する経験は、患者を診る医師としてはとても大切だと思っている。その大切さは後述するとして、まずは、自分の事を書きたい。

『まな板の上の鯉』ではないが、私は整形的な3回の手術時も、痔瘻の手術時も、そして今回の手術時も、主治医に質問したことは一度もない。つまり医師である自分は、どうするのか?どんなリスクがあるのか?鑑別疾患として何があるのか?手術のさまざまな合併症になにがあるのか?などを知っているわけであり、心配すれば事細かく尋ねる知識を持っている。しかしそれを質問したら、主治医はより責任を感じ、萎縮するかもしれない。こんな時、私は絶対に『まな板の上の鯉』になるようにしている。全面的に先生を信用しているから、後は好きにして!!そう言った感じである。
私は外科医ではないが、それでも心臓カテーテル検査やペースメーカーの植え込み術など外科的な処置も多く行ってきた。そんなときに、一番気持ち良く手技や検査・処置が行えた患者様は、全面的に私を信じてくれた方である。『先生にお任せしますから、よろしく!』と言われると一番自分の技量が発揮できていた気がする。逆に事前に、あれやこれやと疑問や質問を投げかけ、更には不信感がにじんでいる人ほど緊張してしまい、自分の持てる力が十分に発揮しにくかった記憶がある。とは言ってもだから手を抜くとか、だから一所懸命にやると言う意味では無い。
不思議なもので、そうして全面的に信用してくれた人ほど順調で、心配された人ほど予期せぬことが起こりやすい様な気がしている。
つまり、医師である私ではあるが、医療を受けるときは、完全に患者になって主治医に任せている。それは医師である私が、患者様にそうして欲しいからそうするのだとも思う。201612191
で、あれば、絶対に医師は患者の立場を数多く経験すべきである。今回も入院中、何度もそう感じた。特に今回印象に残ったのは、手術の前日に手術室の看護師と麻酔科医がそれぞれ訪問してくれたことだ。向こうも私が医師であることは知っているので、話しにくかったかもしれないが、きちんと全身麻酔の説明やリスク、注意点など話してくれた。知ると逆に不安を抱く人もいるかもしれないが、最後に『十分な対応で最善を尽くしますので、当日は何も心配しないで手術を受けて下さい』と笑顔で言ってくれた。医師としてでは無く、1人の患者として凄く嬉しい一言であり、励まされる一言でもあった。
単に疾患や治療方針、想定されるリスクなどを説明するだけでなく、自分がそのことに精一杯取り組んで治療にあたっている言う、ある意味言い訳がましいと感じていた一言は、治療を受ける側としては言って欲しい一言であったのだと、痛感した今回の入院であった。
(写真は、術後帰室してから下肢静脈血栓症の予防がされていることに気づき、思わず臥位のまま両足を挙上して撮った写真)

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2016年12月13日 (火)

初めての全身麻酔と麻酔の思い出

Coffee_cap 先日、初めて全身麻酔で手術を受けた。と言っても手術時間は15分ほどで、手術室への移動、準備して麻酔の導入、終了後の覚醒までの時間と抜管や帰室の準備で45分。全部で1時間程度である。病名は声帯ポリープ。声帯に小さなできものができて、声が出しにくかったり、声がかすれたりする。

私も医師であるから、耳鼻科の知識も勿論あるが、昔は全身麻酔などせず取り除いていた事もあったようである。とは言え総合的に考えれば全身麻酔で行う方が安心と言えるかもしれない。しかし本人にしてみると、全身麻酔である。完全にその間の記憶もなく、呼吸も止まるのである。不安?と言われれば不安だったかもしれない。
私は手術を4回受けている。右大腿筋断裂手術を23歳脊椎麻酔で、痔瘻の手術を27歳静脈麻酔で、41歳に右脛骨骨折の固定と抜去で二回脊椎麻酔。こう考えると手術の経験は多い方かもしれない。しかし全身麻酔は初めてである。
麻酔には大きな思い出が二つある。一つは痔瘻での静脈麻酔である。『じゃー今から麻酔薬入れていくから、1から順に数えてて!』と言われ『イチ』と声を出すと同時に注入されてきた薬物で全身が虚脱状態になり、『ニイ』と言おうとする自分を意識しつつも声が出せなかった。その時耳は聞こえていたのだが、先生が『早!』って言ったことは忘れ得ない。
41歳での脛骨骨折は、夜に外傷が原因で生じた。当時勤務していた病院の友人である整形外科医が今から手術しましょうと、深夜に行ってくれたのである。腰椎から注入された麻酔薬の影響で徐々に身体の上方まで感覚が無くなり動かせなくなってくる。気づくと胸の辺りまで効いているようだった。思わず友人医師だから『おいおい!効き過ぎてないか!』と言うと、友人医師に『先生・・・やかましい』と諭されてしまった。順調に手術が進むなか、突然友人の整形外科医師が『先生、手術台で、大はしないでよ!』と言ったのだ。下半身どころか胸から下の感覚の無い私は、てっきり大便をしてしまったのだと思い、平謝り。手術室の看護師も全員知り合いだから、『ごめんね・ごめんね』とひたすら謝った。程なく手術が終わり、覆われていた自分の下半身が見える状態に。大便などした雰囲気は無い。と、ニコニコ顔の友人医師が『嘘だよ~』の一言。完全にだまされたのである。20161213zensinmasui
さて、今回の全身麻酔。手術室まで歩いて手術台に乗った自分。準備が済むとマスクで覆われ、『それでは始めますね。ゆっくり呼吸していて下さい。少しお薬入れますので、静脈がしみるかも・・・』と麻酔科医の声。 そして、次に聞こえたのは、同じ麻酔科医の声で、『は-い、お疲れ様でした~無事終わりましたよ』だった。
完全に約半時間俺の記憶は消えている。呼吸が止まっていたことも、人工呼吸器に繫がれていたことも、ましてや、挿管チューブが気管に入っていたこともわからなかった。
医師としてわかっていたことばかりだが、経験すると全く異なっていた気がした。ある意味貴重な体験だった。

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2016年11月17日 (木)

見た目以上に

Anichosinki 先週と今週連続して、ある企業の方々にインフルエンザの予防接種を一斉に行った。80名と55名。診察するのに比べたら、氏名・健康状態・アレルギーなどを確認し、接種部位を説明し、同意を得たらポジションを決めて、消毒、準備された注射器をセットして接種。絆創膏を貼り、接種後の注意を指導して終了。 と一連の流れが有り、同じ事の繰り返し。

診察に比べて様々なケースがあるわけではなく、それほど労力は要らないはずであるが、なぜか凄く疲れる。

考えてみれば、人の体内に何らかの異物を注入するのであるから、それが安全な物とわかっていても、万が一のアナフィラキシーショックなどが常に念頭にある。更に自分もそうであるが、接種後2日ほど微熱が出たり、接種部位が発赤、腫脹したりもする。そう言った接種に対する副反応については、事前に同意を得るための用紙にも詳しく書かれているが、まずそれを熟読される方は少ない。そしてちゃんと読まない人に限ってそう言った反応が現れやすく、そう言った人ほど、怒りにも似た問い合わせをしてくる。20161115

インフルエンザの予防接種。接種したほうがあらゆる面で良いという医学的根拠はそろっているが、私が誰にでも積極的には勧めていない理由がここにあるような気がする。もちろん高齢者や基礎疾患をお持ちの方には時間をかけても有効性を説いて勧めてはいるが・・・。

予防接種、受ける側の人は痛みや緊張があるだろうが、接種する側も、見た目以上に大変な作業だと、少しでもわかって欲しくてまとめてしまいました。(写真は55人接種後の廃棄箱。見た目以上に少なく感じる)

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2016年9月22日 (木)

どっちが怖い?

Anichosinki もう既に、話題となってからかなりの時間が経つし、数年前にもこれに似た報道がなされて、しばらく我々医療界は振り回された。しかし今回の報道は、明らかに週刊誌が売れる記事のネタとして医療に踏み込み、表現や文章のテクニックを用いて読者の不安心理をあおり、それが結果的に売れたことで、続編を狙って記事を書いているとしか思えない。勿論これまでのそれに類いした記事でも同じ手法を用いられてきたが、今回は限度を超えていると、おそらく医療関係者は皆がそう思っているはずである。

飛行機事故の確率は、交通機関の中では最も少ない。しかし搭乗前に心配し、無事目的地に着陸したときの安堵感は誰もが経験されたことではないだろうか?それでも飛行機を利用するのは、個々の人たちが目的とする手段のために必要だからである。仕事のため、旅行のため、遠く離れた人に会うため・・・様々であるが、全てそれを叶えるために必要だから飛行機を利用する。目的も無くただ飛行機に乗っていたいからと言う理由で利用される人は希有であろう。
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では、医療に於いて内服の目的は何であろうか?少なくとも薬が好きだから服用しているのではない。今患っている疾患を治すためと言うのが最もわかりやすい。では、高血圧症や脂質異常症、糖尿病を患っていると思っているだろうか?多くの方は持っているとは言われても、患っているとは言われないだろう。なぜなら、日常生活が問題なく過ごせているからである。しかし言われなくても、多くの人は、高血圧や脂質異常症、糖尿病を放置しておくと脳卒中や心筋梗塞など致死的な疾患になりやすいことを知っている。また死に至らなくても、そのために残りの人生、不自由を背負ったり、介護の世話になる可能性が高いこと(きっと飛行機事故に遭うより何倍も)高いことも知っている。
言うまでも無く、これらの疾患に対しては合併症の予防のための内服である。しかしその時に自覚症状がないと、つい内服している薬による作用、つまり副作用の方が気になる。目的地に着くことよりも無事に飛んでくれることの方が気になるのである。
ちなみに、定期的な診察の上で、薬剤師が管理を行っていれば、仮に副作用が出現しても十分に対処可能で有り、少なくとも致死的なことは無いと言える。
飛行機に乗るのが目的があったからであるが、それでも飛行機事故は心配である。同じように予防として内服する薬であるが、副作用は心配である。それは十分に理解できる。であるなら、正しく通院して医師の診察を受けて定期的に検査を行い、その上で薬剤師に管理してもらえば、副作用など恐れに足らずである。例えるなら、飛行機に乗るときに、十分な整備、そして飛行経路の安全を確保するのと同じではないだろうか?しかしこれが面倒だと思うと通院も検査もおっくうになる。
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高血圧や脂質異常症、糖尿病を管理もせずに放置すれば上述した合併症が生じる確率は10人に1人はくだらないであろう。それに対して正しい管理の下で副作用が問題になる確率は1000人~10万人に1人である。
それでもゼロではない。そのゼロではなかった事象を、さも頻回に生じるように伝えて、恐怖をあおり、結果的に合併症を生じても何の責任もとらない。そんな週刊誌の記事をこれからもあなたは信じますか?

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2016年7月 7日 (木)

誰かが語った話のみを受け入れますか?

Coffee_cap 先日、ある介護関係の方が、急を要するような勢いで、私が診ている認知症患者様のことで電話されてきた。『〇〇さんが、入浴するのは嫌だと騒いで、職員に手をあげたんですよ。そんなことの無いように、精神科受診させるか、鎮静剤か何か処方していただいて、おとなしくするようにして下さい。』

介護の現場では良く聞く話ではあるが、何とも情けない内容であり、認知症としての問題行動などに対しての根本的な対処が問われそうである。と言って本日はそれを語りたいのではない。
結局この認知症患者様の入浴時の興奮は、いつものお気に入りの職員さんじゃ無かったからである。でも、事実だけを聞くと、認知症患者様が興奮して暴行した、となってしまう。
世の中ではこう言った事は当たり前で有る。にも関わらず、事実だけを取り上げて賞賛したり、酷評したりしてしまうことが多い。仮に自分がその一部始終を目撃していたとしても、それは事実であって、真実とは言えない。両親が病気で、寝ずにバイトして看護学校に通い続けている生徒、講義中はうとうとしていることも多い。その事実は居眠りであるが、その環境を知れば、皆さんも私と同じように、注意することも少しためらってしまうのではないだろうか?
TV番組で、ずっといじめられてきたり、冷たくされたりと言った自分にとってつらい状況が、何らかの出来事や他人の関与によって一変して、最後には自分の立場が良くなったり、認められたり、いじめてきた相手が責められたり・・・と『スッキリ』するというドラマ仕立ての番組を見たことがある。いかにも日本人が大好きな展開であるが、もしこれが一つの事実であるとすれば、既に一方の事実しか取り上げていないわけであり、真実は大きく異なるかもしれない。こう言った一方の事実のみを見せて、信じさせて、スッキリ感を味わっているうちに、自分に都合の良い事実だけを受け入れる人間が増えるのではないか?とさえ私は思ってしまう。201677
特に、陰口や噂話をまともに信じて、さも全てを見てきたかのように語る人がいる。また、ある一人に何かを伝えたい時に、わざわざ第三者にその話をして伝えようとする人もいる。これもまた日本人的かもしれないが、事実が大きく真実から離れてしまう結果となる。
もともと真実は多面的で有り、多くの事実によってなり立っているはずであり、見方によって大きく異なる。一つの方向から捉えた事実は、真実とは、ほど遠いこともある。
さて、あなたは誰かが語った話のみを真実として受け入れますか?

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2016年6月28日 (火)

確かにおっしゃる通りですが・・・

Anichosinki 本日は、愚痴を書きます。と言うよりどうしても発散しておかないと切れてしまいそうなので、ここで失礼します。20166281

自分も昔、勤務医時代には診療マニュアルや診療指針に従い、文献を読んで、医学的に正しいという診療を、患者さんの金銭的負担や日常生活での負担を顧みず行っていました。医師として医学を学び、EBM(ebidence based medicine)を実践するためには必要なことです。
とは言っても、当時から医療がそれだけじゃ無いことは知っていました。可能性はほとんど無い疾患であっても、それを否定することの重要性は十分理解した上で、医療費が少しでもかからないように、或いは時間が少しでもかからないように、患者様に説明して納得いただいた上で検査を省略したり、診断的治療(その薬を使うことで治ったら、それが診断につながるため)を行う事の意味を理解し、それを行われる開業医の先生の手法も了承しておりましたし、自分も勤務医時代から行っていました。
病院であれば、指示をするだけで、どんな検査も直ちに行えます。また少々金銭的に高額になっても、患者様には比較的納得していただきやすいものです。これに対して開業医の先生方が、信頼の上に成り立った医療を行う事で、医療現場がパンクせず、また医療費を抑えられることが十分意味があることだと理解していました。
とは言っても、患者様との信頼関係の上にそれは行われるべきで有り、本人様が当初から不安を訴え、初期から時間や金銭がかかっても精査や高度医療を希望されるのならそうすべきだとも思います。同時に、節約の名の下にリスクがある場合には、そう言った医療を実践したり、検査を省略したりすべきでないことも事実です。何よりも患者様の診断治療を優先して考えるべきであり、親身になって十分経過を診ることがそう言った医療を行う上で重要であることは言うまでもありません。
今回、発熱の原因がはっきりしない患者様を医療センターに紹介したら、担当医から次のような内容の返事が戻ってきました。
・発熱時原因菌検査も行わず抗生剤の投与を行うのは間違っています。今後は原因菌がはっきりするまで使用しないことをお勧めします。
・病名を『不明熱』と書かれていましたが、それは検査にて原因が得られない場合であって、この場合用いるべきではないと考えます。
など、紹介後の経過はほとんど無く、私の医療に対するお叱りの文章がほとんどで、結局その方が最終的にどうなったかは書かれていませんでした。
確かに、その先生がおっしゃる通りです。原因もはっきりしない間に抗生剤は使用すべきではなかったです。そして、たかだか開業医で出来る限りの検査で原因がはっきりしないからと言って『不明熱』と言う病名は用いるべきじゃ無かったでしょう。更に、今考えれば、あの検査をもう一度行っておけば・・・とか、あの検査を行っていたなら診断につながったかも・・・などと言う反省点があるのも事実です。ご指摘いただいた先生のおっしゃる通りです。しかし・・・
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開業医として、親身になって加療・経過観察を行った上で、診断加療に苦慮したから紹介させていただいたのに、私より何十年も経験の浅い医師からお叱りの返事。私も若かりし勤務医時代に、同じように紹介いただいた開業医先生に思いを抱いたことがありますが、上述したことなど諸事情を考え、単に医学知識のみでは進まない開業医医療を理解して、さすがにこんな返事はした記憶がありません。
煮えくりかえった気持ちは、患者様が良くなったことで、水に流そうと決めましたが、収まりきらず、ここで愚痴ってしまいました。

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2016年5月26日 (木)

ユニフォーム

Coffee_cap  GWも終わり、梅雨の季節前。この季節、比較的外来は空いている。しかし、この時期は診療時間以外はめちゃくちゃ忙しくなる。いわゆる学校保健法に基づく学校検診の時期で、昼食を詰め込んですぐに学校に出向くことになる。また看護学校の講義も始まった。教える立場からは、毎年繰り返す同様の仕事であっても、新入生にしてみれば初めて経験する緊張の瞬間。新たな気持ちで教えるように努めているのである。20165262

私が教えに行っている看護学校には制服がある。と言っても何か行事が無い限り登校時の服装は自由で有り、新入生は1ヶ月の間着用が義務づけられている。何故新入生のみ、しかも一ヶ月間?と疑問に思って教務に尋ねると、看護学を学ぶのだという共通の思いを抱かせるためにそうしているのだそうだ。看護専門学校であり、制服は白衣か?と思われるが、実は黒いジャケットに、パンツ・スカートと言ったものである。

ところが、それが理由ではないだろうが、1ヶ月経って制服の規制がなくなり、私服になった途端に、教室はざわつく。私語も増えて、講義中につい大声で注意したくもなる。4月に講義が始まり、制服を着ている間は、間違いなく学ぶ姿勢だったが、私服となってからは、学ぶ姿勢を維持している子の数が減る。

講義や学校の雰囲気に慣れてきた・・・など多くの理由があるのだろうが、私には制服の効果も大きかったと思えてならない。20165263

ユニフォーム。一つの定まった形態、服装。それはともすれば隠れ蓑にもなり得るし、自己表現を抑制して個の長所を抑えてしまうかもしれない。また極端に考えれば、社会主義や帝国主義的に、一つの思想に支配され、洗脳につながるのかもしれない。しかし何かを目指し、何かを得、何かを生産するため努力する同じ仲間が、同じ方向性を保ち環境を保ち、そして意識を共有するためには、ユニフォームは大切なはずである。

私はたった一ヶ月間ではあるが、制服で講義を聴いてくれる看護学生には、間違いなく熱弁をふるっている気がしている。

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2016年4月18日 (月)

結果的に忙しくなりそうな新年度

Coffee_cap 平成28年度が始まった。昨年度は、自分として結果的に転換期でもあったと言える。医師会の理事となり、地道に続けてきた在宅医療システムが正規に稼働を開始したことが一番の理由である。これによって、その方面での仕事も大いに増える結果となり、同時に多くの方々から責任ある仕事を依頼されるようになってしまった。同じことが認知症対策関連でも言える。

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まったく路線が変わるが、これまで運転してきたミッションマニュアル車を手放して、ついに自宅の車は全てノンクラッチ車になった。学生時代から運転することが好きで、その後ダートなどにも参戦していた自分からすると凄い決断であった。

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年齢的にもそれなりの役職や肩書きが与えられて、それなりの社会的貢献が更に求められる。日々の診療時間以外は、予定がびっちりとつまり、プライベートな時間を持つのが難しくなってきている。これまでも午後の時間を産業医活動・看護教育・学校保健・在宅医療などに当ててきていたが、いよいよ時間が足らなくなってきた。また夜の診療終了後に会議が続いたり、医療センターの夜間診療を手伝ったり、と夜の時間もプライベートが減った。更に、在宅医療システムの中心的存在である以上、システム上の全ての患者で、主治医が捕まらないときの対応待機となっているから、24時間365日スマホの着信には気を配っている。と、思わず愚痴まがいのことを綴ってしまっている。

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そこで、まずは看護教育を少し免除してもらおうと考えた。実は、勤務医時代に一緒に仕事した看護師から別の看護学校の講師依頼があり、これを機にそちらの看護学校へ移って、これまで講義していた看護学校を減らし、最終的に辞めさせていただこうと考えたのである。継続は新規よりも難しい。意欲のみならず、実質内容も劣化の可能性がある。そう思い決断した事でもあるが、これまで講義してきた看護学校では年間3枠任されており、一挙に無くしてもらうことは不可能であり、まずは2枠にしてもらった。知人看護師に頼まれて引き受けた新規の看護学校では当然1枠予定が入る。結果的に3枠のまま。しかも場所が異なるばかりでなく、当初は勝手もわからず、少し時間的余裕が亡くなるかもしれない。結局楽にするつもりで行動したことが裏目に出て、結果的に忙しくなりそうな新年度である。

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2016年2月24日 (水)

初めての?インフルエンザB型

Anichosinki 不覚にも、2月14日から18日までインフルエンザB型に感染してしまった。インフルエンザ?と明らかに診断されたのは、10歳前後の一週間発熱したとき以来。この時は、症状からその様に診断を受けたが、迅速検査が普及してからは、初めてであり、迅速キットで陽性の印が出たときには、さすがにショックだった。

学校保健・産業保健などの公衆衛生上、インフルエンザに関しては、発症後5日以上、かつ解熱した日を除き二日の自宅安静が一般的である。勿論罰則があるわけではないが、感染予防上重要で有り、たとえ医師であっても守らずに、患者様に感染させたら大問題である。と言う事で、陽性とわかった16日から18日までは休診としたのである。ちなみに抗インフルエンザ薬のおかげで、16日夜には解熱していた。20162241
一言で言えば、約40年ぶりのインフルエンザ感染で有り、ひょっとするとインフルエンザB型は人生初かもしれない。感想を言えば、「感染中はあんなに眠れるんだ!!」である。15日あまりのつらさに、夜に検査を行い陽性と判明、直ちに抗インフルエンザ薬を服用して休んだのであるが、16日は発熱もあり、倦怠の中、寝ていてもすっきりしていなかったが、解熱して17日は、体も楽になった上に、寝られる寝られる!日中に4時間6時間熟睡し、その夜は8時間、総合すると18時間熟睡したのである。これが本当に熟睡なのだ。この歳になると、日頃多くても8時間、ほとんどは7時間以内に目覚めてしまうのに、こんなに眠れるのか?という感じであった。
もう一つ書いておきたいことは、患者様からのその後の対応である。大きく分けて二つである。一つは同情的に、『いつも無理をなさっているし、そう言った患者様ばかり診てみえるから・・・この機会にゆっくり休んで下さい』と言ったもの。もう一つは皮肉っぽく、『先生が風邪ひいとったらあかんはな。休診されたら私らが迷惑やわ!! 医者の不養生やで!』と休診したことを責められるケースである。
同情的に、優しく言葉をかけられた患者様には、これまで以上に親身に対応出来そうである。逆に言えば、医療従事者は、どんなときにも患者様に優しく接してあげないといけないのであると、改めてインフルエンザB型から教えられた。

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2016年2月 4日 (木)

無愛想

Coffee_cap  例年に比較してインフルエンザの流行は遅れているが、感染性胃腸炎、ノロウイルスの流行は年末から続いている。ノロウイルスと言うと、どうも重症化した食中毒での報道がイメージとしてあるため、みなさん「重症」と言う観念を持ってしまいがちであるが、実は不顕性感染(症状が出ずに治る)やごく軽症で済む場合も少なくない。

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そんな胃腸炎の患者様は、年明けからも継続してみえるが、軽い方でも気分は良くないはずである。だから診察室で愛想良くなど出来るわけも無い。早く楽になりたいはずであるが、即効性のそんな嬉しい薬はない。診察中、諸症状を確認するため質問しても、概して無愛想な返事が返ってくるのは仕方ないとも言える。
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先日普通の風邪の患者様が来院された。特に全身症状がつらいわけでも無く、食事が食べられないわけでも無く、発熱があるわけでも無い。いたって全身状態は良好であった。しかし、この方、とにかく無愛想なのである。私が入室後『こんにちわ』と明るく大きくお声がけしても返事されない。『今日はどうされたのですか?』と尋ねても、『風邪?』のみ。
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切れそうな心を抑えつつ、なんとか診察を続け、情報を集めていると、実は数日前に私の友人の開業医を受診されていたようである。そしてそこで『風邪か、胃腸炎?はっきりするまで、経過診てなさい』と言われたそうである。
この友人医師、良心的で低姿勢で優しい先生である。そんな先生がそんな冷たい指導を?と思って、何となく納得。私と一緒で無愛想さに腹が立ったのかもしれない。きっと虫の居所が悪く、この日の私ほど我慢できなかったのであろう。Photo
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ちなみに「無愛想」で検索したら、この犬の写真があった。無愛想と言うよりかわいいと感じる。愛想振りまかない猫が良いと感じる人も多いはずだが、診察室では振りまく必要はないが、せめて無愛想は控えるべきかも・・・

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