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2009年4月 3日 (金)

聴診器だけでいいよ

Anichosinkiこれまで、「私の診療日誌」や「旅立たれた方々」などのブログを綴ってきた。HPも「がんばって!糖尿病」や「知っておきたい医学知識」などを作成して多くの方に利用していただいた。
が、ふっ~っと息を抜きたくなった。と言うより、肩をはらず、本当に気ままに自分の思いを綴ってみたくなった。これまでのブログもHPも、どちらかと言えば情報提供を主に考え、自分の本当の思いを綴ると言うことはしてこなかった。言い換えれば、作られた私だったのかもしれない。新しく、ブログを立ち上げるのに、理由はいらないし、説明も不要である。だけど、自分がこのブログを綴るとき、肩の力を抜いて、自然体で書いていくことを自分への申し送りとして、まずは書いておきたい。

このブログを綴るのは、主に診察室である。人口5万の市の一角で開業している自分の診療所では、時に患者さんが途切れ時間が空く。そんな時、もし誰かが話し相手になってくれたらきっとこんな事を話すであろう内容を、本当に気ままにまとめたいと思う。パソコンに向かって考えがまとまっていたとしても、患者さんがみえれば中断しなくてはならないであろうが、それも自然体である。綴るためではなく、時間があるから綴るというスタイルを守っていきたい。

Sakura1_2

私が病気で倒れた父の後を継いで開業したのは、10年前のことである。当時救急医療を行っていた自分は、開業に向けて施設をどうするかとあれこれ考えた。CTも導入したいし、血液ガス分析もしたい。緊急の血液検査の装置も欲しい・・などと考えていた。しかし、開業を前に数回父の代診を行う間に、徐々にその考えは変わっていった。『聴診器だけでいいよ』と思うようになるのに時間はかからなかった。地域医療の内科医として求められる物は、「何でも屋」である。ちょっと風邪をひいたから、検診で異常を指摘されたから、転んで擦りむいたから、なんとなく調子悪いから・・・だから近くの開業医でまずは相談なのである。私に求められることは、究極の専門医療ではなく、その状態を見極め、本人さんに説明し、時に治療を行い、時に総合病院や専門医に紹介することである。

開業して10年経過した今、そう考えて行ってきた医療に後悔はない。確かにある程度の判断を求められることもあるため、いくつかの装置を導入はしたが、やはり問診と視診と触診、そして聴診が主である。

後何年地域医療に貢献できるかわからないが、このスタイルを変えるつもりはない。

(写真は、自宅近くの川の堤防に咲く桜2008年4月)

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