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2010年7月に作成された記事

2010年7月28日 (水)

熱中症

Anichosinki またまた書き込みが滞っている間に季節は流れて、まさに夏真っ盛り。日々のニュースでも熱中症の言葉がよく聞かれる。勤務医時代から、夏になるとこの疾患名は必ずついて回り、聞かなかったのは十数年前の冷夏の年くらいである。1007saboten

我々医師が抱く熱中症は、一般の人達に比べるとかなり身近なものだ。その昔、熱射病とか日射病などとも呼ばれたためなのか、まだ日に当たらなければ大丈夫と思っている方々も多い。たとえ日に当たらなくても、風のない高温の室内に居れば、不感蒸泄も上手く行われず、熱が発散されずに体内にこもり、やがて諸臓器の機能不全を起こすのだ。と、この熱中症の説明は昨年もこちらのブログでしているので、この程度にして、熱中症に関わる話をまとめてみる。

熱中症というと特別なようだが、高齢者では日常で簡単に生じる。特に寝たきり状態の方などは、既に体内の諸機能が低下しているので、外気温に伴って体温も容易に上昇する。発熱!だけが家族としては気になり、その原因や対処を気にされるのだが、軽い熱中症が原因と言うことは案外多く、早いと5月頃から見られる。

1007kuwagataその背景には、認知症が隠れていることが多い。暑さを感じにくい上に、的確な季節や気温の判断が困難となれば、熱中症のリスクは増す。私が往診に行っている認知症の方も、気温34度あっても、「泥棒が入って来るから!」と窓を閉め切っていた。

勤務医時代に、大部屋の窓側のベッドに居た高齢者の方が熱中症を生じて、問題となったことがある。もともと対人関係が苦手な方で、ベッドを囲むカーテンをいつも閉め切っていたために、窓からは夏の日差しが差し込み、囲まれたベッド周辺は気温が上昇。更に締め切られた空間では、空気の移動も少ないため熱中症になられたのである。入院中の患者さんが熱中症を生じたと言うことで、その後看護師にも厳しく指導した記憶がある。

救急病院で勤務中に、ぬいぐるみの中に入ってのバイトをしていた大学生が熱中症から、呼吸促迫症候群に陥った。幸い回復し、互いに若かったため親しくなり、その後も年賀状だけであるが、連絡が続いている。彼はその出来事を機に、医療関係の企業に就職した。

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