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2013年5月26日 (日)

医療ドラマの嘘を考える

Coffee_cap  一時期ほどではないが、医療ドラマは刑事物、法廷物についで多いのではないだろうか?海外でも医療ドラマは多く作られ、秀作も多い。ロングランになった『ER』は、私が勤務医として救急医療に携わっていた当時に放映され始めたこともあり、夢中になって見ていた。ストーリーのおもしろさに加えて、そのリアルさに驚いたものだった

ちなみに、私の専門は循環器で、中でも肺塞栓症という疾患をその頃研究していた。そんな事もあり、ERの番組で肺塞栓症が取り上げられたときは、注目してしまったが、最も驚いたことは、肺塞栓症を診断し、その説明をするシーンで実際の肺動脈造影の写真が用いられ、更に血栓塞栓の所見が写っていたことである。さすがにこれには驚いた。そのシーンは、特に写真をズームして見せるのでは無く、ただ医師が病変部位を指し示すと行った場面で使われていただけであるから、そこまでリアルにしなくても問題なかった様にも思うが、紛れもなく肺塞栓症の所見の写真であったからだ。

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当時日本でも、医療系のドラマがいくつか作られていたが、リアルと言う言葉にはほど遠く、レントゲン写真の左右逆であったり、脳出血のCT写真を見せながら、腫瘍の説明をしていたりしていたが、それは医療従事者が気づくような嘘であり、取り上げる必要は無いのかもしれない。しかし、その頃の医療ドラマでよく目にした、手術中に全身麻酔がかかっているのに、酸素マスクだけで手術されているシーンだけは止めて欲しい気がした。
きっと気づかないだけで、それぞれの分野のドラマで専門家が見たらおかしいと言うシーンはたくさんあったに違いない。
と医療ドラマの嘘のシーンを取り上げたかったのではなく、今はリアルになった事を語りたいのである。ネットの発達やリアルなドラマなどによって、我々がドラマや映画にリアルを求める様になったからかもしれないが、医療ドラマに嘘のシーン(ある意味全て嘘なのだが・・・)が無くなりつつある。自分が気づかないだけで、刑事ドラマや犯罪ドラマ、法廷ドラマなど様々なドラマも同じようにリアルを求めて作られているようにも思う。
しかし、本来演じることで視聴者を引きつけるのがドラマの姿。リアルを求めるだけでは満たされない何かがドラマの中に存在して伝わってくることがある。言い方を変えれば、リアルだけでは誤魔化されない部分がある。願わくば、用いる設備や設定のみで無く、環境や雰囲気、そして演じる言葉の全てにリアルを感じたい。舞台で演じているシーンにリアルさはなくても、良い芝居を見ている我々は、間違いなく引き込まれてしまうのであるのだから。

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コメント

特命希望さん コメントありがとうございます。あまり日本のドラマや、ドキュメント番組は見てないですが、多いみたいですね。お涙ちょうだいや、恐怖による視聴率アップじゃない番組なら嬉しいですけどね~

投稿: hide | 2013年6月 8日 (土) 07時37分

病気、治療や名医とか診断とかのドキュメントやバラエティ的な番組も各局でやってますね。

投稿: 特命希望 | 2013年6月 8日 (土) 00時54分

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