« 名は体をなす、と言うが | トップページ | 夏らしい?夏らしくない? »

2014年5月24日 (土)

本当にいいんだろうか?

Anichosinki 先に断っておくが、決して批判的な意味でこの記事を書いているわけでは無い。ただ本当にそれで良いのだろうか?と言う素朴な疑問が生じてまとめてみただけである。

ここへ来て、糖尿病の新薬として、SGLT2阻害薬が次々と発売されている。糖尿病は現在国民病とも言われ、診断がなされている患者様だけでも2000万人を超えており、潜在的な患者数はもっと多い。
本来日本人はインスリン分泌機能が白人に比して劣っている。医学的な事をここで書くつもりは無いが簡単に説明をすると、インスリンは血糖を下げるためでは無く、人が糖分をエネルギーとして利用するために必要な物質である。利用された結果として血糖値は下がるわけである。従って、インスリン分泌能が劣った黄色人種は西洋人のように、食べたからと言ってどんどん太れるわけではなく、その前に糖尿病を発症してしまう。しかしだからと言って、インスリンが多ければ良いというものでは無い。高インスリン血症はメタボリック症候群同様動脈硬化を引き起こし、血管障害による疾患を生じる一因である。
日本人はインスリン分泌能が悪かった上に、近年はこの高インスリン血症状態で見られるインスリン抵抗性の要因が増えてきている。
肥満、運動不足、摂食量の過剰、高カロリー食、不規則な食事、ストレスなどがこの原因で有り、単純に言えば、これらをしっかりと改善すれば、治るわけでは無くても、糖尿病の管理(血糖コントロール)はある程度可能である。しかし、それが出来ないのが現代人。わかっていても食べるし、わかっていても運動不足が続き、ストレスにさらされる。
SGLT2阻害薬はこう言った方には、確かに効果的な薬剤である。簡単に言えば、摂取し過剰となった血糖を尿中に放出して血糖を下げるのである。(この薬剤を服用している糖尿病患者さんが、もし立ち小便をすると、近くにいる蟻は思わぬ糖分にありつけることになる。)これまでのインスリン関連の治療薬とは一線を画する薬剤であり、未知数ではあるが効果は大いに期待されていて、おそらく自分もこう言った方々には、使用せざるをえないであろう。B0078675_2113145
しかし本当にそれで良いのだろうか?人類の歴史上、これほど急激に食生活のみならず人の生活環境が変化した時代は、かつてなかったはずである。食生活環境、運動環境、対人関係、ITの進歩等々。これに対応できない人の体や精神によって急激に生じてきた糖尿病、高血圧、脂質異常症、鬱病、などなど。それを生化学的な現代の技術で対応している。
本来何万年とかけて進化してきた人の体の仕組みでは対応しきれなくなった現代が生んだ新たな疾患に対して、小手先の姑息な技術で誤魔化しているような気がしてしまう。医師が書くべき事では無いが、本当にこれでいいんだろうか?
とは言え、自分の患者様には少しでも良くなっていただきたいから、薬剤を使用してでも治療を続けるのも間違いない。

|

« 名は体をなす、と言うが | トップページ | 夏らしい?夏らしくない? »

昨今の医療情勢」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 名は体をなす、と言うが | トップページ | 夏らしい?夏らしくない? »