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2017年6月 7日 (水)

健康の定義

Coffee_cap  昨年末に声帯ポリープにて全身麻酔で手術を受けたことを、ブログでもまとめたが、先月から頸椎ヘルニアで、再びアクティビティーが下がっている。4月の末頃から、左の後頸部から左肩全体に、凝りのような痛みがあり、そのうちに・・・などと思っている間に、左手母指にしびれ感を感じたため整形外科の友人に診てもらい判明した。自分で作った牽引装置で頭部を日に何回か牽引して、消炎鎮痛剤など服用して改善傾向ではあるが、器質的な変化によるものであることはわかっている。症状は消えたとしても根治とはならない。

我々開業医が外来診療を行っている中で、年齢による変化での訴えは数知れない。腰痛、膝痛、肩が上がらない、食べ物が飲み込みにくい、皮膚が痒い、元気が出ないなど多彩だ。とりあえず、何らかの症状の改善が期待できるため、『病気』として診断名を付けたとしても、その原因が加齢であれば、根本的な治療は不可能である。例えば、老人性皮膚そう痒症は加齢による皮膚乾燥が原因の掻痒である。痒みはある程度抑えられるが、若いときの潤いあるお肌には戻れない。
グルコサミンやコンドロイチンなどよく聞く名前のサプリメント。不思議なもので、ある程度値段が高い方が売れるそうである。薬として効果があると考える気持ちは理解できる。しかし、若い時からそうならないように予防は可能であるが、加齢に伴って生じる器質的変
化を、逆行性に若返らせる手だては無い。
話は変わるが、皆さんは健康をどのように定義されているだろうか?

Body_neck_hone

大昔中学生の頃に、あるコメンテーターがラジオでこう言っていた。『自分の体を意識しないときが健康では無いだろうか?』確かに、昨年声帯ポリープが出来て発声がつらい時に、喉頭、声帯という部位を認識しつつづけた。そして今回頸椎ヘルニアで、頚部の脊椎の形状や変化(医師であるが故に、その形状や発症機序が理解できる)で頸椎を意識した。私自身、この言葉が脳裏に有り、更に医療経験が増すと共に、この言葉を健康の定義のひとつとして利用している。
年齢に伴う変化を完全に消し去ることは出来ない。しかし健康と感じる程度までに症状を抑えることは、医療に於いては重要である。対症療法と原因療法。症状だけをとる治療は、医学では、概して良しとはしないのであるが、少しでも症状を軽減させて、もう一度健康を意識できるのであれば、対症療法も重要だと感じずにはいられない。

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