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2018年1月27日 (土)

毎年の光景

Anichosinki  毎年この時期になると、この話題が上がる(ほぼ半年更新していなかったことは、棚に上げて・・・)。その名はインフルエンザ。

我々の年代の医師はインフルエンザに関して多くの変遷を経ている。①抗インフルエンザ薬が登場する前の医療 ②抗インフルエンザ薬が登場してからの医療 ③インフルエンザ迅速検査が登場してからの医療 ④タミフルが行動異常を引き起こすと報じられてからの医療 ⑤新型インフルエンザの登場などやたらインフルエンザ報道が多くなってからの医療
人間様の方で、インフルエンザに対していろいろ対応するが、インフルエンザは素直にこの地球上で存在し続け、繁殖していくことだけが使命である。少し難しい話となるが、インフルエンザはウイルスである。ウイルスはそれ自体は遺伝子情報のみを持った生命体で、繁殖するためには多種動物などの細胞を利用しないと繁殖できない。細菌のように、栄養さえあれば繁殖すると言ったものではない。つまり鳥や人に感染して初めて細胞を利用して増殖するのである。
さて前置きは別にして、インフルエンザに感染すれば、細胞を利用されてウイルスが増殖して更なる細胞に感染し細胞障害を生じるから、喉の痛みや鼻水、全身の疼痛など諸症状が出現する。しかし、人は通常ならウイルスを自由にはさせておかない。体内で抗体を作り、インフルエンザウイルスを閉め出そうとする免疫が働く。だから予防接種を打つし、医師は繰り返すインフルエンザウイルスの侵入で抗体をしっかり持っているからかかりにくいわけである。
つまり、ウイルスが侵入したから全員発症するわけではない。ウイルスが体内の免疫力に打ち勝って増殖繁殖を始めることが問題なのである。これによってウイルスは体内から容易に検出されるようになる。つまりウイルスが人の細胞を利用して増えてきた状態が感染で有り、ウイルスが相当数存在しているから簡易検査で見つけることが可能なのだ。

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インフルエンザが大流行中の先日、立て続けに4名同じ訴えで受診された。『家族がインフルエンザなので、心配で調べて欲しくて』と話されるが、咳も鼻水も喉痛も発熱もなにも自覚症状がない。つまり発症していないのである。心配だからと言う気持ちはわかる。だから『何も症状がない、つまり発症していない状況で検査してもウイルスは検出されませんから、陰性だから大丈夫とは言えないのです。検査は必要ないとお思いますよ』と丁寧に説明。しかしこの日は、4名とも、それでも良いから調べて欲しいとのこと。もう一度言葉を変えて説明したがやはり検査希望。で、実施して当然4名とも陰性だった。
ところが、4名とも結果を聞くと同じように『あー良かった~』
だから、検査で陰性だから大丈夫とは言えない!とぼやきたかったが、丁寧に、感染していないとは言えませんから、必ず経過見て、症状が出てきたら再検査して下さいね、と説明した。毎年繰り返す光景のような気がする。

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昨今の医療情勢」カテゴリの記事

コメント

コメントありがとうございます。
いえいえ、私たちのシステムも問題山積です。とはいえ、待ったなし進み続けないと、大変なことになりますからね。
これからも微力ながら前進あるのみですね(^^ゞ

投稿: Hideki TANAKA | 2018年5月14日 (月) 15時14分

灯台の記事とこちらの記事も読ませて頂いてます。
毎年、インフルエンザの時期は、どの医療機関も大変ですね。
今年は外気温が変な事になっていますので、体調を崩す人が増えるかも知れませんね。
先生の地域の在宅システムは、羨ましい限りです。しかし、それは先生をはじめ皆さんが、時代の流れに合わせて作り上げられたのですから、羨ましがっていてはダメですね。
訪問診療に力を入れてくれる先生は、どうすれば増えるのかと‥ 病院側にも問題があるかも知れません。

投稿: TOMOKO | 2018年5月12日 (土) 16時59分

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