カテゴリー「開業医療あれこれ」の記事

2019年5月 1日 (水)

平成最後と令和最初の診察

Anichosinki昨日は平成31年4月30日、平成最後の日であった。TVが特別番組として平成をまとめ振り返り、そして天皇・皇后の歩んでこられた30年を報じていた。おそらく誰しもが一人の日本人として、心から感謝し、その労をねぎらったと思う。そして今日から令和である。

さて、GWが近づくまでの話題は、元号もあったが、庶民の関心の中心は10連休だった気がする。10連休と決まったときから、ずっと休む・・・など開業医では考えられなかった。片田舎のちっぽけな医院とは言え、かかりつけの患者様が、何かしら体調を崩すものである。勿論すべてに対応は無理ではあるが、だからと言って救急病院や当番医に全て任せてはおけない。かかりつけ医として、できる限り診療することが大切なのだと思っている。ということで、平成最後の日と令和最初の日、そして明日5月2日まで通常の診療をおこなうことにしている。

内心「患者様は少ないだろうな」と思っていた。が、平成最後の30日の午前中は、体調を崩された新患の方に加え、診察していると知っていたかかりつけの患者様も多数来院された。27日土曜日まで診療を行ったとは言え、28.29日と連休だったわけで、やはり少し体調を崩したという方が多く、中には遠方から診療していた当院を探して受診されている。

毎年、看護学校の講義でGW前に話す、昔の思い出話がある。医師となって5年目に、初めて5月3.4.5日の三日間、当直も待機番も当たらず、まだ幼かった子供たちと一緒に・・・などと考えて信州のペンションを予約した。ところが、29日の当直で入院した若いアルコール性肝硬変から食道静脈瘤が破裂して入院した患者様、単に状態が悪いというのではなく、アルコール禁断症状も現れ、かなり対応が大変だった。それでも3.4.5日の当直医に頼もうと思っていたのだが、その前にどの先生からも『この患者さんは、よう診ないわ!当然残るんだろう!』と言われた。三日間 とも自分より目上の先生である。結局出発前日の2日にペンションにキャンセルの電話をしたのだ。当然向こう様も収入が落ちて困ることは理解できる。とは言え、宿泊もしていないのに全額キャンセル料として取られたのには涙が出た。親子4人で二泊三日の宿泊費、しかもGW期間 であり・・・想像つくと思う。Favorite-phote454

と言うこともあり、世間が休みである連休にはなるべく休みを取らないと言う考えが私に定着したのだが、いつの間にか、患者様の利便性を考えて、世間が連休の時こそかかりつけ医は診療を行うべきだと考えるように、結果は同じでも変わってきた。勿論、日曜祭日にはお休みもいただくし、お盆期間をずらして夏期休診もいただいており、『休まない』を肯定しているのではない。職員をリフレッシュさせることも大切で職員旅行なども企画しており、『休み』を決して否定はしていない。ただ、10連休などと国民の1/3しか取れない休みが、本当に必要だったのか?と、深く上皇に感謝するとともに労をねぎらい、そして新たな天皇への期待などとは別に、ささやかな疑問を抱いて診療している。

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2019年3月21日 (木)

桜の開花とインフルエンザ

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本日3月21日は、休日の当番診療。お彼岸であり、TVでは東京で桜の開花が発表され、一気に気分は春である。
いつもなら、木曜日は午前中のみ診療で、午後は看護学校の講義や医師会の会議などで飛び歩くことが多いだけに、同じ診療を行うにしても何となく勝手が違う。
昨日から急に気温が全国的に上がり(週末はまた少し寒いらしいが・・・)、これから更に桜の話題が賑やかとなる。私には、勝手に『私の桜』と名付けて、花咲く頃だけでなく、一年中見守っている桜の木がある。近くを流れる川の河川敷にあるのだが、交通に使われる場所ではないため、ひっそりとしていて、毎朝のランニングコースの途中にある。TVで開花の話を聞き、密かに『明日の朝は、私の桜を通るルートでランニングしよう!』と思いつつ診察を始めた。
休日当番診療と言っても、暖かくなり始めたこの時期、患者さんは多くないだろうと時間を迎えると、数人の方が次々に来られた。
更に、その最初の2人は、・高熱・全身倦怠感を訴えており、インフルエンザを疑えるのだ! 
『えー!春だな- 桜が開花だな- って思っていたのに?』と検査をすると、なんとそのお二人ともインフルエンザ。しかも一人はA型で一人はB型である。
今日は、多くは語らないが、医療というのはこちらの気分通りに進むはずがないと改めて思ったのだ・・・。
写真は、私の桜です。Favorite-phote159

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2018年12月18日 (火)

『悪化』とか『持続』に敏感

Coffee_cap インフルエンザのワクチンの入荷がなかなか入ってこない。当初から全般的に遅れているものの、数量は十分あると聞いていたが、ここに来て年内の入荷は難しいかも?とのこと。例年、規定量で終了した医院さんで受けられなかった人の駆け込み寺的に注射していてあげたからか、いつまでも問い合わせが多く、しかも年内接種を、お約束できない状況。勝手な推測だが、製造メーカーが小出しにして在庫残らないように調整しているとしか思えない。

さて、今回記事にするのは、そんなインフルエンザとも多少関係あるかもしれないが、いわゆる『風邪』の治療についてである。と言っても医学的なことではなく、私的な思いである。

風邪は、一般的には急性上気道炎、つまり鼻腔から咽頭、喉頭にウイルスが感染し生じた炎症を指す。インフルエンザウイルスであればインフルエンザ、コクサッキーなどだとヘルパンギーナなど特殊な例もあるが、基本はそうである。

インフルエンザに対しては、抗インフルエンザ薬があるが、その他のウイルスでは、基本ウイルスを排除するための薬はなく、結局のところ自分の免疫力でウイルスを排除するのである。参考までに付け加えると抗生剤は細菌に効かせるものであり、単に風邪で使用しても効果はない。従って風邪薬というのは、あくまでも症状に対して行う治療、つまり対症療法である。咳がひどいと去痰させて少しでも改善させ、全身症状が強ければ抑え、喉が痛ければ鎮痛消炎である。

逆に言えば、特効薬はなく、対症療法であるから投薬した処方で、少しでもその症状が楽になってくれれば・・・と言う思いで処方を行う。Gahag00476541751

しかし、患者様の立場からすると、その症状が楽になっていても、他の症状が気になっていたら『良くなった』とは言ってくれにくい。それどころか『悪化した』とさえ言われる方もみえる。実際には食事もとれて、仕事もできて、日々をいつも通り暮らしているのであれば悪い状態ではないはずなのだが、症状が持続しているというと、『良くならない』のである。

これは、臨床医であり開業医としてはとても気になるところである。数日前に風邪で受診された方が、『悪化してきた』とか『良くならない』と言う訴えで再受診されると、肺炎や気管支炎、あるいは他の合併症などを一瞬にして思い巡らせ患者様を迎える。多くの場合、上に書いたようなことで、実は風邪としての症状が変わっただけであることが多いのであるが・・・。

開業医にとって『悪化』とか『持続』は、とても緊張を誘う言葉である。

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2018年9月12日 (水)

人と人との付き合い

Coffee_cap 先日、あまり嬉しくない話を聞いた。自分が所属している医師会事務所の方が、医院に立ち寄って、話してくれたのである。

『先生、最近患者さんと、何かトラブルあった?』と尋ねられて、全く思い当たる節のない自分は、「いや、特に何も・・・」と答えると、医院を受診した人から、診療拒否されたと電話が入ったというのである。ご存じのように、患者様は医師を選べるが、医師は患者様を選べない。受診すればどんな方でも親身に対応して診察する。診療拒否などあり得ないのであるが、それだけに思い当たる人が数日前に受診されたことを思い出した。
数日前に、初診でみえたその方は、これまでの経過と言っても、医学的ではなく単に自分がどうしていたかを語っただけで、以前からもらっている処方をしてほしいと訴えた。これまでかかっていた総合病院での別の科の診療が終了したのに伴い、他の医院で診てもらうように言われたとのことで(それ自体変な話で、普通は他科が終わっても、継続して診てくれるはずである)、既に別の医院受診したが、そこの医師の反応が気に入らなかったようで結局通院せず、新たに当院へ来たのである。
私は、いきさつはどうであれ、当方でこれから処方しましょう、という気持ちで診察を始めようと、問診(医学的な)を始めたのである。ところが、すぐに『ごちゃごちゃいらないから、薬出してほしいんだけど』と話され、こう続けた。『俺は、シンプルに薬だけほしいだけだから、ごちゃごちゃ細かいこという医師は合わんのや』Favorite_phote347
その言葉を聞いても、まだ素直に、私がこれから処方していくつもりでいた。ただどうしても、自分の考えは知っておいてほしいために説明を話し始めた。
「じゃあ、基本的には、私とは相性は良くないかもしれないね、私は十分な説明して納得してもらってから医療行うから・・・」その後、だから少なくとも説明は聞いてから処方させて、と言う内容を伝えるつもりだったが、その言葉を発する前に、突然『わかったわ!じゃあもうえーわ、そんな医者には診てもらわんでも』そう言って、さっと診察室を出て行った。
あまりに素早い行動に、『薬、無いんでしょ・・・』だけ背中に向かって伝えたが、戻ってくることはなかった。
確かに、私とは相性が良くないかも?は、他の説明をした後で言うべき言葉だったと反省しているが、少なくとも診療拒否ととられるような態度や口調ではなかったはずであり、むしろ突然出て行かれた行動に、その時は理由がわからなかったくらいである。
とは言え、診療拒否されたと医師会に電話するくらいであり、相当ご立腹だったのかもしれない。改めて、人と人との対応で成り立つ医療・診療。どれだけ親身に、素直に相手を考えて診療しても、意思疎通の手段が会話しかない以上、言葉一つ一つ注意しなければいけないと、改めて思った。

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2017年6月 7日 (水)

健康の定義

Coffee_cap  昨年末に声帯ポリープにて全身麻酔で手術を受けたことを、ブログでもまとめたが、先月から頸椎ヘルニアで、再びアクティビティーが下がっている。4月の末頃から、左の後頸部から左肩全体に、凝りのような痛みがあり、そのうちに・・・などと思っている間に、左手母指にしびれ感を感じたため整形外科の友人に診てもらい判明した。自分で作った牽引装置で頭部を日に何回か牽引して、消炎鎮痛剤など服用して改善傾向ではあるが、器質的な変化によるものであることはわかっている。症状は消えたとしても根治とはならない。

我々開業医が外来診療を行っている中で、年齢による変化での訴えは数知れない。腰痛、膝痛、肩が上がらない、食べ物が飲み込みにくい、皮膚が痒い、元気が出ないなど多彩だ。とりあえず、何らかの症状の改善が期待できるため、『病気』として診断名を付けたとしても、その原因が加齢であれば、根本的な治療は不可能である。例えば、老人性皮膚そう痒症は加齢による皮膚乾燥が原因の掻痒である。痒みはある程度抑えられるが、若いときの潤いあるお肌には戻れない。
グルコサミンやコンドロイチンなどよく聞く名前のサプリメント。不思議なもので、ある程度値段が高い方が売れるそうである。薬として効果があると考える気持ちは理解できる。しかし、若い時からそうならないように予防は可能であるが、加齢に伴って生じる器質的変
化を、逆行性に若返らせる手だては無い。
話は変わるが、皆さんは健康をどのように定義されているだろうか?

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大昔中学生の頃に、あるコメンテーターがラジオでこう言っていた。『自分の体を意識しないときが健康では無いだろうか?』確かに、昨年声帯ポリープが出来て発声がつらい時に、喉頭、声帯という部位を認識しつつづけた。そして今回頸椎ヘルニアで、頚部の脊椎の形状や変化(医師であるが故に、その形状や発症機序が理解できる)で頸椎を意識した。私自身、この言葉が脳裏に有り、更に医療経験が増すと共に、この言葉を健康の定義のひとつとして利用している。
年齢に伴う変化を完全に消し去ることは出来ない。しかし健康と感じる程度までに症状を抑えることは、医療に於いては重要である。対症療法と原因療法。症状だけをとる治療は、医学では、概して良しとはしないのであるが、少しでも症状を軽減させて、もう一度健康を意識できるのであれば、対症療法も重要だと感じずにはいられない。

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2016年11月17日 (木)

見た目以上に

Anichosinki 先週と今週連続して、ある企業の方々にインフルエンザの予防接種を一斉に行った。80名と55名。診察するのに比べたら、氏名・健康状態・アレルギーなどを確認し、接種部位を説明し、同意を得たらポジションを決めて、消毒、準備された注射器をセットして接種。絆創膏を貼り、接種後の注意を指導して終了。 と一連の流れが有り、同じ事の繰り返し。

診察に比べて様々なケースがあるわけではなく、それほど労力は要らないはずであるが、なぜか凄く疲れる。

考えてみれば、人の体内に何らかの異物を注入するのであるから、それが安全な物とわかっていても、万が一のアナフィラキシーショックなどが常に念頭にある。更に自分もそうであるが、接種後2日ほど微熱が出たり、接種部位が発赤、腫脹したりもする。そう言った接種に対する副反応については、事前に同意を得るための用紙にも詳しく書かれているが、まずそれを熟読される方は少ない。そしてちゃんと読まない人に限ってそう言った反応が現れやすく、そう言った人ほど、怒りにも似た問い合わせをしてくる。20161115

インフルエンザの予防接種。接種したほうがあらゆる面で良いという医学的根拠はそろっているが、私が誰にでも積極的には勧めていない理由がここにあるような気がする。もちろん高齢者や基礎疾患をお持ちの方には時間をかけても有効性を説いて勧めてはいるが・・・。

予防接種、受ける側の人は痛みや緊張があるだろうが、接種する側も、見た目以上に大変な作業だと、少しでもわかって欲しくてまとめてしまいました。(写真は55人接種後の廃棄箱。見た目以上に少なく感じる)

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2016年9月22日 (木)

どっちが怖い?

Anichosinki もう既に、話題となってからかなりの時間が経つし、数年前にもこれに似た報道がなされて、しばらく我々医療界は振り回された。しかし今回の報道は、明らかに週刊誌が売れる記事のネタとして医療に踏み込み、表現や文章のテクニックを用いて読者の不安心理をあおり、それが結果的に売れたことで、続編を狙って記事を書いているとしか思えない。勿論これまでのそれに類いした記事でも同じ手法を用いられてきたが、今回は限度を超えていると、おそらく医療関係者は皆がそう思っているはずである。

飛行機事故の確率は、交通機関の中では最も少ない。しかし搭乗前に心配し、無事目的地に着陸したときの安堵感は誰もが経験されたことではないだろうか?それでも飛行機を利用するのは、個々の人たちが目的とする手段のために必要だからである。仕事のため、旅行のため、遠く離れた人に会うため・・・様々であるが、全てそれを叶えるために必要だから飛行機を利用する。目的も無くただ飛行機に乗っていたいからと言う理由で利用される人は希有であろう。
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では、医療に於いて内服の目的は何であろうか?少なくとも薬が好きだから服用しているのではない。今患っている疾患を治すためと言うのが最もわかりやすい。では、高血圧症や脂質異常症、糖尿病を患っていると思っているだろうか?多くの方は持っているとは言われても、患っているとは言われないだろう。なぜなら、日常生活が問題なく過ごせているからである。しかし言われなくても、多くの人は、高血圧や脂質異常症、糖尿病を放置しておくと脳卒中や心筋梗塞など致死的な疾患になりやすいことを知っている。また死に至らなくても、そのために残りの人生、不自由を背負ったり、介護の世話になる可能性が高いこと(きっと飛行機事故に遭うより何倍も)高いことも知っている。
言うまでも無く、これらの疾患に対しては合併症の予防のための内服である。しかしその時に自覚症状がないと、つい内服している薬による作用、つまり副作用の方が気になる。目的地に着くことよりも無事に飛んでくれることの方が気になるのである。
ちなみに、定期的な診察の上で、薬剤師が管理を行っていれば、仮に副作用が出現しても十分に対処可能で有り、少なくとも致死的なことは無いと言える。
飛行機に乗るのが目的があったからであるが、それでも飛行機事故は心配である。同じように予防として内服する薬であるが、副作用は心配である。それは十分に理解できる。であるなら、正しく通院して医師の診察を受けて定期的に検査を行い、その上で薬剤師に管理してもらえば、副作用など恐れに足らずである。例えるなら、飛行機に乗るときに、十分な整備、そして飛行経路の安全を確保するのと同じではないだろうか?しかしこれが面倒だと思うと通院も検査もおっくうになる。
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高血圧や脂質異常症、糖尿病を管理もせずに放置すれば上述した合併症が生じる確率は10人に1人はくだらないであろう。それに対して正しい管理の下で副作用が問題になる確率は1000人~10万人に1人である。
それでもゼロではない。そのゼロではなかった事象を、さも頻回に生じるように伝えて、恐怖をあおり、結果的に合併症を生じても何の責任もとらない。そんな週刊誌の記事をこれからもあなたは信じますか?

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2016年6月28日 (火)

確かにおっしゃる通りですが・・・

Anichosinki 本日は、愚痴を書きます。と言うよりどうしても発散しておかないと切れてしまいそうなので、ここで失礼します。20166281

自分も昔、勤務医時代には診療マニュアルや診療指針に従い、文献を読んで、医学的に正しいという診療を、患者さんの金銭的負担や日常生活での負担を顧みず行っていました。医師として医学を学び、EBM(ebidence based medicine)を実践するためには必要なことです。
とは言っても、当時から医療がそれだけじゃ無いことは知っていました。可能性はほとんど無い疾患であっても、それを否定することの重要性は十分理解した上で、医療費が少しでもかからないように、或いは時間が少しでもかからないように、患者様に説明して納得いただいた上で検査を省略したり、診断的治療(その薬を使うことで治ったら、それが診断につながるため)を行う事の意味を理解し、それを行われる開業医の先生の手法も了承しておりましたし、自分も勤務医時代から行っていました。
病院であれば、指示をするだけで、どんな検査も直ちに行えます。また少々金銭的に高額になっても、患者様には比較的納得していただきやすいものです。これに対して開業医の先生方が、信頼の上に成り立った医療を行う事で、医療現場がパンクせず、また医療費を抑えられることが十分意味があることだと理解していました。
とは言っても、患者様との信頼関係の上にそれは行われるべきで有り、本人様が当初から不安を訴え、初期から時間や金銭がかかっても精査や高度医療を希望されるのならそうすべきだとも思います。同時に、節約の名の下にリスクがある場合には、そう言った医療を実践したり、検査を省略したりすべきでないことも事実です。何よりも患者様の診断治療を優先して考えるべきであり、親身になって十分経過を診ることがそう言った医療を行う上で重要であることは言うまでもありません。
今回、発熱の原因がはっきりしない患者様を医療センターに紹介したら、担当医から次のような内容の返事が戻ってきました。
・発熱時原因菌検査も行わず抗生剤の投与を行うのは間違っています。今後は原因菌がはっきりするまで使用しないことをお勧めします。
・病名を『不明熱』と書かれていましたが、それは検査にて原因が得られない場合であって、この場合用いるべきではないと考えます。
など、紹介後の経過はほとんど無く、私の医療に対するお叱りの文章がほとんどで、結局その方が最終的にどうなったかは書かれていませんでした。
確かに、その先生がおっしゃる通りです。原因もはっきりしない間に抗生剤は使用すべきではなかったです。そして、たかだか開業医で出来る限りの検査で原因がはっきりしないからと言って『不明熱』と言う病名は用いるべきじゃ無かったでしょう。更に、今考えれば、あの検査をもう一度行っておけば・・・とか、あの検査を行っていたなら診断につながったかも・・・などと言う反省点があるのも事実です。ご指摘いただいた先生のおっしゃる通りです。しかし・・・
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開業医として、親身になって加療・経過観察を行った上で、診断加療に苦慮したから紹介させていただいたのに、私より何十年も経験の浅い医師からお叱りの返事。私も若かりし勤務医時代に、同じように紹介いただいた開業医先生に思いを抱いたことがありますが、上述したことなど諸事情を考え、単に医学知識のみでは進まない開業医医療を理解して、さすがにこんな返事はした記憶がありません。
煮えくりかえった気持ちは、患者様が良くなったことで、水に流そうと決めましたが、収まりきらず、ここで愚痴ってしまいました。

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2016年4月18日 (月)

結果的に忙しくなりそうな新年度

Coffee_cap 平成28年度が始まった。昨年度は、自分として結果的に転換期でもあったと言える。医師会の理事となり、地道に続けてきた在宅医療システムが正規に稼働を開始したことが一番の理由である。これによって、その方面での仕事も大いに増える結果となり、同時に多くの方々から責任ある仕事を依頼されるようになってしまった。同じことが認知症対策関連でも言える。

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まったく路線が変わるが、これまで運転してきたミッションマニュアル車を手放して、ついに自宅の車は全てノンクラッチ車になった。学生時代から運転することが好きで、その後ダートなどにも参戦していた自分からすると凄い決断であった。

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年齢的にもそれなりの役職や肩書きが与えられて、それなりの社会的貢献が更に求められる。日々の診療時間以外は、予定がびっちりとつまり、プライベートな時間を持つのが難しくなってきている。これまでも午後の時間を産業医活動・看護教育・学校保健・在宅医療などに当ててきていたが、いよいよ時間が足らなくなってきた。また夜の診療終了後に会議が続いたり、医療センターの夜間診療を手伝ったり、と夜の時間もプライベートが減った。更に、在宅医療システムの中心的存在である以上、システム上の全ての患者で、主治医が捕まらないときの対応待機となっているから、24時間365日スマホの着信には気を配っている。と、思わず愚痴まがいのことを綴ってしまっている。

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そこで、まずは看護教育を少し免除してもらおうと考えた。実は、勤務医時代に一緒に仕事した看護師から別の看護学校の講師依頼があり、これを機にそちらの看護学校へ移って、これまで講義していた看護学校を減らし、最終的に辞めさせていただこうと考えたのである。継続は新規よりも難しい。意欲のみならず、実質内容も劣化の可能性がある。そう思い決断した事でもあるが、これまで講義してきた看護学校では年間3枠任されており、一挙に無くしてもらうことは不可能であり、まずは2枠にしてもらった。知人看護師に頼まれて引き受けた新規の看護学校では当然1枠予定が入る。結果的に3枠のまま。しかも場所が異なるばかりでなく、当初は勝手もわからず、少し時間的余裕が亡くなるかもしれない。結局楽にするつもりで行動したことが裏目に出て、結果的に忙しくなりそうな新年度である。

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2016年2月24日 (水)

初めての?インフルエンザB型

Anichosinki 不覚にも、2月14日から18日までインフルエンザB型に感染してしまった。インフルエンザ?と明らかに診断されたのは、10歳前後の一週間発熱したとき以来。この時は、症状からその様に診断を受けたが、迅速検査が普及してからは、初めてであり、迅速キットで陽性の印が出たときには、さすがにショックだった。

学校保健・産業保健などの公衆衛生上、インフルエンザに関しては、発症後5日以上、かつ解熱した日を除き二日の自宅安静が一般的である。勿論罰則があるわけではないが、感染予防上重要で有り、たとえ医師であっても守らずに、患者様に感染させたら大問題である。と言う事で、陽性とわかった16日から18日までは休診としたのである。ちなみに抗インフルエンザ薬のおかげで、16日夜には解熱していた。20162241
一言で言えば、約40年ぶりのインフルエンザ感染で有り、ひょっとするとインフルエンザB型は人生初かもしれない。感想を言えば、「感染中はあんなに眠れるんだ!!」である。15日あまりのつらさに、夜に検査を行い陽性と判明、直ちに抗インフルエンザ薬を服用して休んだのであるが、16日は発熱もあり、倦怠の中、寝ていてもすっきりしていなかったが、解熱して17日は、体も楽になった上に、寝られる寝られる!日中に4時間6時間熟睡し、その夜は8時間、総合すると18時間熟睡したのである。これが本当に熟睡なのだ。この歳になると、日頃多くても8時間、ほとんどは7時間以内に目覚めてしまうのに、こんなに眠れるのか?という感じであった。
もう一つ書いておきたいことは、患者様からのその後の対応である。大きく分けて二つである。一つは同情的に、『いつも無理をなさっているし、そう言った患者様ばかり診てみえるから・・・この機会にゆっくり休んで下さい』と言ったもの。もう一つは皮肉っぽく、『先生が風邪ひいとったらあかんはな。休診されたら私らが迷惑やわ!! 医者の不養生やで!』と休診したことを責められるケースである。
同情的に、優しく言葉をかけられた患者様には、これまで以上に親身に対応出来そうである。逆に言えば、医療従事者は、どんなときにも患者様に優しく接してあげないといけないのであると、改めてインフルエンザB型から教えられた。

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