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2006年10月12日 (木)

店番(徳島県・阿南市)

Botanomake_8 2006年の夏に、徳島県の灯台を巡ったときの思い出話である。蒲生田岬を訪ねたところで、日が暮れたため、近くの阿南市で宿泊することにした。ビジネスホテルを探して、着いたのが午後7時過ぎであった。フロントで「近くに食べるところあります?」と尋ねると、手作りの近隣飲食店マップを渡された。早速その地図を見て、炉端・焼き鳥と書いてある店に向かったが、照明が消えており、休業であった。そう言えばこの日は月曜日である。 1_8

イヤな予感を感じながら他にも数件訪ねたが、全て休業。しかたなくホテル近くのコンビニへ戻って歩いていると、出かける時には気づかなかった、近くの交差点の角にあるお好み焼き屋が目に飛び込んできた。吸い込まれるように中にはいると、入り口には大量の漫画が並んでおり、その上に「占いします」と言う張り紙がある。奥の畳席で高校生二人が雑談しながら食べている。カウンターの中では、店主であろうめがねをかけた丸顔の男性が、お好み焼きを焼いている。カウンターから離れたテーブル席に座ると、その男性は、笑顔だけで注文も聞かず、焼き上がるまで待たされた。その後生ビールとイカ・豚・卵のお好み焼きの大を頼み、自分も漫画を選んで読み、生ビールで喉をうるおしながら、運ばれてきた大盛りのお好み焼きをつついた。高校生たちが、この日行われた高校野球甲子園決勝戦で早稲田実業が優勝した話をしている。

その時だった、「お客さん」と店主が声を掛けてきた。顔を上げると、「もうしばらく、居ますよね?」と変わった質問。「あ、は-」と同意すると、なんと、材料が切れたので買い物に行ってくるから、しばらく店番をして欲しいというのである。断る理由もなく、もう一杯生ビールを頼んで、それから約30分店番をさせられてしまった。客なんて来ない・・・と思っていると、別の高校生が2人入ってきた。しかたなく「店主はすぐ戻るから、好きなところ座ってて」と水まで出してしまった。Photo_11

それから一週間後、TVから『阿南市のナカちゃんが死にました』とのニュ-ス が聞こえてきた。阿南市の言葉に反応してTVを見ると、インタビューで市民が、ナカちゃんが死んだ悲しみを答えていた。その後方に見えた男性の姿が、あの店主に似ているように感じた。きっと勘違いだろうが、初めての客に店番を頼んだあのお好み焼き屋。なぜかまた行ってみたい気がした。

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