高野埼灯台(青森県)
07年夏に青森件の灯台を巡った中で、最も自分が感動したのが、今回紹介する 高野埼灯台(写真右上)である。灯台自体が特別というわけではな
い。当日の青空や灯台を目にする条件など全てが重なって私は感動したのだと思う。
高野埼は青森市から津軽半島を陸奥湾に沿って北に向かい、平館灯台を過ぎてから20分ほどで着く。龍飛埼ほど北に津軽海峡に突き出していない埼である。平館を過ぎてから車を運転していると、徐々に起伏のある道が増えてきて、埼の上の方、海面から高い位置を走っていること は感じていた。しかし全く海が見えないため、そろそろ着く頃と思いつつ道を走っていて、突然高野埼の案内表示を見つけ、慌てて駐車場に入ったと言う感じだった。駐車場の奥に一軒のみやげ屋兼食堂の店があり、その周囲はキャンプ場として解放されている。しかしここからでもまだ海は見えない。芝生の敷地を海の方に向かって歩いていくと、正面に灯台の先端が見えた。そしてすぐにその背後の海が視界に広がった。(写真左上)遠くに雲がかかっているが、上空は見事に晴れている。そしてその青空よりも碧く海が広がっていた。思わず『ウオー』と声を出してしまうほど感動した。思えば、以前に同じように声を出した福井県の押回埼灯台も、突然目の前に広がった日本海と灯台の姿に感動したものだった。どうやら突然広がる景色に私は感動しやすいらしい。灯台は紅白だった。白色の灯台であればまた違った趣であったとは思ったが、紅白の色に全く違和感は持たなかった。
灯台に近づくと、埼の右手の海面近くに小さな岩場が広がっている。そしてその周囲の海 の色が私の気持ちを更に高ぶらせてくれた。北の海と言うより、南国を想像するようなエメラルドに近い色をしているのである。(写真右中)岩場には橋が架かっており、釣り人や家族連れの姿があった。
灯台に向かって左手に少し埼の先端へ行ける場所があり、そこから陸側に目を移すと、丘を越えてこの埼に続いていることがよくわかる。丘を越えると同時に海が広がって見えた地形に納得させられた。(写真左下)
西の方向に目を移すと龍飛岬の山々が連なっている。龍飛の命名の由来は知らないが、岬を龍 の飛ぶ姿に例えれば、間違いなく龍飛埼は龍の尾の部分に当たるのであろうと思った。
灯台周囲はもちろんのこと、海面近くまで降りて岩場にも足を踏み入れ、ゆっくりと高野埼を味わったつもりであったが、後にする時、駐車場に戻るために歩きながら、丘を越えるまでに何度も何度も振り返って灯台を、そして津軽海峡の海を眺めていた。(写真右下)
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