磯浜灯台跡(茨城県)
荒れた天気の翌早朝、東の海上へ去りつつある黒く厚い雲、そしてその後方に広がる朝焼けの空を背景にして、荒れた波を受けて岩の上に立つ磯浜灯台を見て、ありきたりかも知れないが『おつかれさん』と声をかけたくなった。
2008年夏の休暇での灯台巡りは、仙台を豪雨の中出発して、福島県の番所埼灯台で雨はあが ったものの、茨城に入ると雷や竜巻注意報が出て、突風にあおられながら日立灯台を巡り、宿泊地である大洗にたどり着いた。予定では、少し北に戻った所に立つ磯埼灯台などを夜に訪ねるつもりでいたのであるが、あまりの強風とオリンピックでの女子ソフトボールの活躍を理由に翌朝に回したのだ。
磯浜灯台は、大洗の海岸に立ち、周囲は夏を楽しむ場所として賑わっている。国土地理院の地図を見ると(地図左上:国土地理院より)、大洗岬と名が付く小さな岬があるが、灯台はその岬から少し海岸線沿いに東に入った岩場に立つように記されていた。ところが実際に訪ねてみると、岬と称される
のは岩礁で、事実上、灯台を過ぎると西に大きくカーブするターニングポイントとなっていた(写真右下:Google Earthより)。
三脚を固定して灯台に向けてカメラを構えたときには、東の空に朝焼けを確認できたが、まだ周囲は十分暗かった。点灯していないものの、シルエットとして荒波を受けている姿を見て、たくましいと感じた(写真左下)。しかし徐々に周囲が明るくなり灯台の姿がはっきりするにつれて(写真右上)、いたわりの気持ちが強くなった。そう思って見ている目の前でも、何度も何度も波しぶきが打ち付けている。その灯台の外壁は至る所に傷があり、これまで見てきた灯台の中でも明らかに過酷な状況と言えそうだった。昨夜私が宿でくつろいでいた強風の中も、これまでと同じようにここに立っていたのだと思うと、思わず『おつかれさん』と声をかけたくなったのだ。
ここまで書いて触れるのもおかしいが、ここの灯台は、現在点灯されておらず、灯台としての形がそのまま残っている。私が訪れた時間は、早朝で、まだ十分暗かったが、やはり点灯されていなかった。すでに電線も伝わっておらず、その役目を終えたのだと感じた。本当に『おつかれさん』である。
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コメント
こんにちは
灯台巡りですか良いですね
自分は千葉香取市に住んでます。
第3管区の灯台の塗装をして毎年毎年あるってます。いろんな形の灯台、先月は千葉勝浦灯台を工事今は茨城那珂湊防波堤大洗防波堤灯台の塗装を工事しています一カ所
で行く那珂湊外防波堤灯台は波の影響があり毎日頭抱えております

今日もこれから会社の方を出る所です。
昨年犬吠埼塗装の上だけ塗り替え致しました…1番高い塗装ですからちょっと
元請けの社長が灯台大好きであちこちあるってます
頑張っていろんな灯台を歩って下さい。
でも今時期の海は寒いですね
投稿: 塗装屋です。 | 2008年11月27日 (木) 04時30分
塗装屋さん、コメントありがとうございます。
灯台塗装の仕事をされているのですね。
いろんな灯台、そしてそれぞれに苦労も多いでしょうね。
私のように、気ままに灯台のある風景を巡って、感動できたり
するのも、塗装屋さん達の管理のおかげですね。
第3管区と言うことで、この夏に巡った地域なんですね。
犬吠埼の上部も塗られたと言うこと。
これからも安全に気をつけてがんばって下さい。
また、塗装をする人にしかわからない、灯台の○秘情報が
あれば、教えて下さい。
投稿: ヒデ先生 | 2008年11月27日 (木) 07時45分