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2009年2月20日 (金)

観音崎灯台(神奈川県)

Botantoudai観音崎灯台は、我が国初の近代洋式灯台としてあまりにも有名であるが、首都圏に住んでいない私にとって、その存在はけっして特別ではなかった。むしろ地元伊Kannonsaki6勢湾への侵入口となる伊良湖岬や神島灯台の方が、その重要性を認識できて、特別な印象を抱いていた。しかし、今回都内から足を伸ばして東京湾の入り口となる三浦半島を訪ね、幕末からの日本の玄関としての観音崎を意識すると、やはり特別な想いが強くこみ上げてきた。今回は、そんな灯台好きには外せることの出来ない観音崎灯台(写真右上)を、少し長くなるがまとめてみることにする。

Kannonsakichizu8 2008年秋の早朝に都内を出発し、京急電車に飛び乗り北久里浜まで行き、そこでレンタカーを借りて、三浦半島の灯台4基を巡った。最初に訪ねたのが、観音崎である。何カ所か駐車場があるが、どこが灯台に近いのか下調べが不十分な状態で到着し、より南東にある駐車場に車を停めて(地図左上:MapFanより)、カメラリュックを背負って観音崎の散策を始めた。すがすがしい秋晴れで、気持ちよく海岸線を行くと、Kannonsaki1 ススキの穂が揺れ、秋の日差しが海上でキラキラと光る光景に早くも足を止めた(写真右二番目)。やがて砲台跡などが残る道に入り、史跡の案内にも目を配り、観音崎を味わいながら灯台を目指した。しばらく進むと、分岐点があり、観音崎灯台と言う名前も見えた。ところが、どうしてKannonsaki2 なのか、(△印が左上を向いていたためか・・:写真左二番目)私は左手の登り坂に入ってしまったのである。後で案内をよく見ると、70mとあり、普通は右手に進むはずである。しかしこの時は疑うこともなく進み続けてしまった。結構Kannonsaki3急な坂道もあり、それでも進み続けると、やがて海上交通センターに出る。しかし、この近辺に観音崎灯台の案内などないため、私は更にそのまま道を進んだ。やがて海上交通センターの塔が正面に見える(写真右三番目)坂道にさしかかり、ここまで来て初めて海から離れていることに気づいた。しかし今来た道を戻るのも悔しい。どうせなら観音崎を極めてやろうと考え、結局そのままぐるっと一周する形で、元歩いた道まで進み続け、案内表示の箇所まで行くと、今度は右手に進み、近くて遠かった観音崎灯台にようやく到着することができた。早朝に着いていたはずが、結局灯台の拝観時間ちょうどとなっていた。

Kannonsaki5 既に5~6名の観光客が灯台を見上げたり、受付のおばさんと話をしていた。私も歴史ある灯台の説明を読みながら敷地に足を踏み入れ、いろんな角度から灯台を見上げた。灯台の後方のスペースは狭く、なかなか海を入れての撮影は難しかしい(写真左三番目)。そんな私を見ていたのであろう、掃除をされているおばさんが、声をかけて来てくれた。咳き込まれることがしばしばあり、私は職業柄、咳と共に聞こえる喘鳴が気になった。おばさんは、これまでにプロのカメラマンが、どのポイントから灯台を撮影されたかなどを教えてくれ、最後に掃Kannonsaki4除の手を止めて、受付まで私を連れて行き、一枚の写真を見せた。おばさんは、その写真が一番気に入っているのだと話してくれた。それは、私が先ほど歩き回った崎の更に高く頂上に近 い所から灯台を見下ろして撮影された物であった。これを今から真似て撮るためには、山歩きだけでなく木登りも必要になりそうであり、同じ場所からの撮影はあきらめることにし、おばさんにお礼を述べて、限られた範囲で撮影を続けた。

灯台に登ると、秋空に輝く海原が広がり、左手には、先ほどさまよい歩いた海上交通センター方面の地形も確認できた。投光器(写真右下)も間近で見ることができる。右手を見ると、崎によって駐車場の方面の景色は遮られていた。『帰りは、この崎の海際を歩いて観Kannonsaki7 音埼を満喫して車に戻ろう』と考えてしまったことが、再び遠回りをすることにつながり、その結果予定以上に観音崎で過ごしてしまい、後で訪ねた剱埼灯台城ヶ島灯台、そして安房崎灯台で慌てることになるのだが、この時は、眩しく輝く海を見つめ素直にそう思った。

日本という自分が住む国にとって、歴史有るこの灯台は、やはり特別なものなのだと感じつつ、一生懸命に掃除を続けているおばさんに、もう一度挨拶をしてから灯台を後にした(写真左下)。

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コメント

この観音埼灯台は3代目なんですよね。(この灯台の2階は燈光会の物置になっていて燈台ファンにとっては「お宝」が置いてあります)
海岸に関東大震災で倒壊した2代目灯台のテラス部分が転がってますよ。
約80年前の灯台のでかい瓦礫が転がっている…不思議な感覚でしばらく写真を撮ったり瓦礫の中に入ったりしてました。

投稿: 玉助 | 2009年2月21日 (土) 13時08分

玉助さん コメントありがとうございます。
灯台その物にうとい灯台好きとしては、
ただただ灯台を眺めて満足しておりました。

投稿: hide | 2009年2月21日 (土) 18時42分

ヒデ先生 こんばんは〜。
観音埼、私にとっても最も思い入れのある灯台です。
一昨年の夏に訪れ、すっかり灯台に魅せられ、その後の
「自転車灯台巡り」のキッカケになった灯台です。
昨年の夏も会いに行きました(笑)。
http://woodenheart.blog50.fc2.com/blog-entry-27.html

あまりにもこの灯台が好きで、いにしえの映画『喜びも悲しみも幾年月』のビデオをヤフオクで探し、購入した次第です。
もしご覧になっていなければ、ご一報下さい。
ちなみに主人公の佐田啓二と高峰秀子が劇中で赴任する灯台は以下の通り。

1.観音埼灯台(神奈川県横須賀市)
2.石狩灯台(北海道石狩市)
3.大島灯台(伊豆大島)
4.水子島灯台(豊後水道)
5.女島灯台(長崎県五島列島)
6.弾埼灯台(佐渡島)
7.御前崎灯台(静岡県御前崎市)
8.安乗埼灯台(三重県伊勢志摩)
9.男木島灯台(香川県高松市)
10.御前崎灯台・再赴任

投稿: Tulsa McLean | 2009年2月22日 (日) 23時49分

Tulsa McLeanさん
コメントありがとうございます。一応灯台好きを名乗ってる自分ですから、観てますよ~(^^)v
確か、原作者の田中きよさんは、小名浜出身ですね。番所灯台のあったところか~なんて、やっぱり灯台で考えてましたよ(((^^;)

投稿: hide | 2009年2月23日 (月) 08時06分

はじめまして。カミタクと申します。

さて、今般、拙HP「温泉天国・鹿児島温泉紹介!」
http://homepage2.nifty.com/kamitaku/kagoonin.htm
内のサブ・コンテンツ「観音崎灯台訪問記」
http://homepage2.nifty.com/kamitaku/MIURA002.HTM
からリンクを張りましたので、その旨、報告申し上げます。

今後とも、よろしくお願い申し上げます。

投稿: カミタク(リンク先は「観音崎灯台訪問記」) | 2009年5月23日 (土) 17時35分

>カミタクさん
了解しました。

投稿: hide | 2009年5月23日 (土) 20時37分

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