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2009年4月 9日 (木)

塩屋埼灯台(福島県)

Botantoudai今回は、あまりにも有名な塩屋埼灯台(写真右上)をまとめることにした。しかし、塩屋埼灯台は、私にとってあまり良い訪問だったとは言えない。同じ福島県の小良ケ浜灯台を訪ねた時に降っていた雨はあがったのであるが、どんよりと低い黒い雲Shioyasaki3に覆われ、強風の中で塩屋埼灯台に着いたのである。この程度の風なら何度も灯台を訪ねたことがあり、張り切って灯台の立つ岬に登ったのであるが、受付のおばさんから『強風のため灯台に登ることはできませんよ』と申し訳なさそうに言われたのだ。灯台を訪ねたときの天気も、巡り合わせの一つと考え、雨天であっても曇天であっても納得してきた私である。しかし登れる灯台のShioyasaki1 一つとして楽しみに訪れた塩屋埼灯台を登れなかったことは、やはり心残りである。その意味でも良い訪問だったとは言えないのだ。

2008年の夏に、北から南下して塩屋埼灯台に近づいた私は、灯台の立つ塩屋埼に続く海岸から見るその姿に、なぜか早春の嵐を連想しながら車を進めた(写真左上)。灯台の立つ岬のすぐ下の駐車場に車を止めて歩き始めると、登り口に『喜びも悲しみも幾歳月』の大きな記念碑が目に入った。京都の経ヶ岬灯台は、・喜びShioyasaki2も悲しみも幾歳月だったな~などと原作の舞台である塩屋埼灯台を今から訪ねるのだと思うと心がときめいた。

観光客の姿はなく、のんびりと景観を楽しみながら灯台に近づくことができた。海岸線から突き出た岬に立つ塩屋埼灯台は、本当に絵になる。多くの灯台巡りの先輩方が、サイトなどでも写真を公開しており、その姿はまだ灯台を訪ねていなかった私の目にも焼き付いている。曇天で強風であるが、その姿にカメラを何度となく向けながら近づいた(写真右中)。

Shioyasaki4・・・・『登れませんよ』と本当に申し訳なさそうに話すおばさんの顔は、十分に納得できた。おそらく観光で立ち寄っただけの客ではなく、灯台に興味があって訪ねたと言うことを、私の姿から理解しているのだろう。その表情には、すごく感謝したいのだが、やっぱり残念でならなかった。欠品していたピンバッチが入った事なども教えてくれたが、そう言った小物を収集していない自分としては、代わりのおもちゃでごまかせる子供の様には、機嫌が直ることはなかった。せめて灯台をのんびりと味わうべく、辺りをうろうろと歩くことにした(写真左下)。Shioyasaki5

何処からの景色も目を閉じて描けるくらい(と言っても、絵画の才能は全くないが・・)敷地内 を歩き回って灯台を味わった。受付のおばさんに、素直に『登れなくて残念でしたが、ありがとうございました。』と言うと、『またぜひ訪ねてください』と言われた。東海に住む自分が、そう簡単に来られないことはよくわかっていたが、『はい』と答えて岬を下り始めた。振り返るとちょうど咲いているユリの花の向こうに灯台が見えた(写真右下)。本当にまた来られたら良いな~。

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