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2009年5月

2009年5月31日 (日)

伊豆網代灯台(静岡県)

Botantoudai5月の中頃過ぎに、箱根から熱海へと旅をする機会を持ち、最終日に伊豆の灯台を数カ所巡ることができた。熱海は静岡県であり、当然のように東海地方のカテゴリーに入れているが、明らかに関東圏の色合いが強い。湘南ナンバーの車も多く、子供っぽいIzuajiro2がTVのチャンネルも関東圏である。特に今回のように箱根方面から移動するとそう感じるのかもしれない。その熱海中心部から南に下った網代港の東側、朝日山の斜面に今回紹介する伊豆網代灯台(写真右上)は立っている。

Izuajirochizu5伊豆半島は、私の住む地から日帰りで訪ねるのは少しきつい。今回伊豆箱根への職員旅行があり、その最終日の自由行動を利用して初島の灯台を訪ねる計画だった。しかし当日の朝、うっすらと雲が覆う空を見て急遽東伊豆の灯台を巡ることに変更したのである。お昼頃から青空となり初島への未練も浮かんだが、どの灯台でも青空が良いに決まっている。初島へは、いつの日か晴れた日に渡れることを願うことにした。

網代灯台は、熱海から135号線を走って南下してもその姿は見ることができない(地図 左上:国土地理院より)。地 図にもあるように、新旧のトンネルが朝日山を貫いており、灯台はそのトンネIzuajiro4ルの外に立っているからである。灯台に行くためには、立岩トンネル南側を抜けた直後の海側左手の敷地に入って行く(写真右中)。そこを、ちょうどトンネルの中程辺りまで進むと灯台がある。灯台の正面海上には初島が見える。この時は、まだ薄雲がかかっていて遠くに感じたが、初夏っぽい青空となった午後からは、すぐ近 くに感じられた。

Izuajiro3朝日山と名が付いていてもそのまま海につながる岬であり、その斜面に立つ灯台周辺の敷地は狭く、奥行きは無いに等しい。従って灯台の両側からしか写真は撮れない。更に南の空はより雲が多く、霞んでいる上に逆光である。晴れていれば初島を入れて写真を狙いたいところであるが、灯台の写真だけで諦めた(写真右上)。灯台の足元は、緑に覆われてはいるが、そのまま崖であり40メートルほどの高さである。ちょうど灯台の下に岩礁が見える。確認は出来なかったが、立岩トンネルと名が付く立岩は、灯台直下にある岩の名前であると思われた(写真左下)。Izuajiro1

薄雲が覆い、所々に青空があるような天気の中伊豆網代灯台を訪ね、熱海方面を背景にした写真も(写真右下)すっきりしなかった。この後天気はどんどん良くなり、お昼頃には初夏を思わせる青空となった。もう少し後で訪ねれば異なった雰囲気を味わえ、初島との位置関係もカメラに納めることが出来たかも知れない。しかし雨に降られることもなく訪ねられたことに感謝して、願わくば次回初島を晴天の中訪ね、ぜひこの灯台を望遠レンズで確認したいと思った。

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2009年5月24日 (日)

猿山岬灯台(石川県)

Botantoudai能登半島の輪島市南西に位置する門前町周辺は、嶮しい山々に囲まれ、猿山Saruyamamisakichizu6岬は、秘境の地とも言われていたそうである。燈光会の案内板によれば灯台を 建てる資材は海路で運ばれたとあった。今は少し嶮しい道ではあるが、灯台に続く歩道の入り口まで舗装路が整備されつながっている。私が訪ねた日は、休日で能登半島の観光地はどこも混雑していたのだが、猿山岬ではバイクの2人に出会っただけであった。空いていて嬉しい反面、訪ねた1人としては、自然豊かな見応えのある景色だけにもったいなくも感じた。

Saruyamamisaki1能登半島の西側を南から北上するように猿山岬を目指したのだが、地図(地図右上:MapFan)を見ながらも、猿山岬へのアプローチで悩んでしまった。詳細な地図を見ると、岬のある山全体を東側に回り込んで北に出て、そこから南西に向かう道が示されていて、結局その道に従って向かうことにした。ところが山間部のジグザグ道を走る間に、自分もそうであるが、少し旧型の車載ナビまでも迷ってしまい道無き山の上を表示し、どう進んでいるのかわからなくなっていた。幸いもう少し進んだところで猿山岬への標識を見つけて無事にたどり着くことができた。海岸線沿いから岬斜面を登るように続く道を進むと、車止めがしてある手前に駐車スペースがある。一台も車は止まっておらず、車止めギリギリの上のSaruyamamisaki3方に車を止めた。地図をもう一度確認して、次に向かう竜ヶ埼灯台をナビにセットしてか ら、カメラリュックを背負い向かうことにした。

雪割草の群生地と言う案内看板を見ながら歩道を進むと、霞んだ空と海を背景に、とにかく新緑が気持ちよい(写真左上)。マイナスイオンと美味しい空気を味わいながら灯台を目指した。『悟れじの水』と言う渓流の案内がある橋を渡ると、まもなく灯台であSaruyamamisaki5る。海に向かって灯台の右手側に出るのだが、そのまま私は、灯台後方の坂道に登ってみた。なぜなら灯台は海に向かって素晴らしい景観の中に立っており、出来る ことなら灯台の背後から海を背景に写真を撮りたかったからである。残念ながら灯台の後方は木々が覆って無理であった(写真右中)。あきらめてゆっくりと灯台の回りを歩きながらその姿や景観を楽しんだ。正面の敷地も広く、段々に海に向かって低くなっている。灯台左手にも敷地があり、灯台の横顔を見ながら海も少し見える。道から続く灯台右手からも海は見える(写真左中)が、こSaruyamamisaki2こからのアングル(写真右下)が一番のお気に入りとなった。

ここからもう少し岬の上へと登ると雪割草の群生地があるが、群生という言葉に少し抵抗 を感じた。太平洋側に住む私が身近に見る花ではないが、三角草と言う別名であり、雪割草と言う名の由来も知っている。願わくばそう言った状態で見たいものだと感じたからかもしれない。

Saruyamamisaki4 白い雲が青空を隠した天気であったが、猿山岬灯台の姿は私の心をつかんだ。また是非訪ねたいと思いつつ、次回訪ねるときは、秋が良いな・・・などと勝手に想像を膨らませ、同時に猿山と名から、以前秋に福井県の押回埼を訪ねて猿に遭遇した事を思い出してしまった。1時間ほど滞在して車に戻ることにしたが、途中で振り返ると、新緑の木々の間から灯台の姿が見える(写真左下)。紅葉の時期にはきっと素晴らしいに違いない。

 

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2009年5月17日 (日)

室ヶ鼻灯台(愛媛県)

Botantoudai今年のゴールデンウイーク期間中、各地の観光地が賑わっている様子がTVでMurogahana3 報じられていたが、そんな中、弘前の桜が満開であると言う話題に惹かれてしまった。4月の初めに愛媛県の佐田岬を訪ねたのであるが、今回紹介する室ヶ鼻灯台(写真右上)周辺の桜は既に葉桜に変わりつつあった。『弘前は今満開か~』と狭い日本列島が南北に延びていることを再認識しつつ、1ヶ月経った今、改めて新年度の始まりに良い旅が出来 たことを思い返してしまった。

Murogahanachizu2室ヶ鼻灯台は、愛媛県伊方町の南側で、先に紹介した女子鼻灯台の一つ東側の伊方港に接する埼に立っている(地図左上:MapFanより)。佐田岬半島の先端、佐田岬灯台を訪ねた後、半島に立ついくつかの灯台にも立ち寄り、最後にこの室ヶ鼻灯台を訪ねた。山の斜面に並ぶみかん畑を貫くように細い道がつながっている。収穫の時期には車が通り抜けするのも大変そうであるが、埼を回って西に向かう道からはMurogahanachizu1 途中で分岐して灯台につながっていた。(地図右中:国土地理院より)。それにしてもみかん畑の多さには驚かされる。

道の終点が室ヶ鼻であるが、見晴らしが良く、暖かい春の日ざしも加わり、実に気持ち良く感じた。近くにはプールもあり地元の人に親しまれている場所であることがわかる。まずはプール近くの駐車場まで行き、春の日ざしに向かって灯台を見上げるようにして写真を撮った(写真左中)。灯台の後方にはそれほど大きくないが桜の木が立ち並び、薄いピンMurogahana4ク色の花が満開を過ぎて、既に葉桜に変わりつつある(写真右下)。も う少し早ければ、濃淡だけの和的な桜を楽しめたかもしれないが、暖かな春の日ざしには、新緑の方が似合う気もした。

考えてみると、これまでに桜の咲く季節に灯台を訪ねる機会はほとんどない。一度だけ桜を狙って田曽埼灯台を訪ねたことがあるが、小雨まじりの曇り空で早 々に引き上げて、お気に入りの写真も撮れなかった。今回の室ヶ鼻灯台は桜を狙って訪ねたわけではなく、その意味では少しタイミングが遅れたとは言うものの、嬉しい予想外の 出迎えであった(写真左下)。Murogahana5_2

室ヶ鼻は、佐田岬半島としては、かなり東に位置して伊方の町に近い。この日の朝に市内を通り抜けしたが、その際地元の高校生と思われる通学中の制服姿とすれ違った。その中には、新入生と一目でわかる真新しい制服姿もあった。男子は最近珍しくなった爪入りの学生服だった。室ヶ鼻灯台からの帰りに再び町を通り抜けしたのだが、今度は下校時の同じ学生服姿を目にした。私が灯台巡りをしてきた時間学校にいたことになる。私自身が、春の明るく暖かい日ざしの中、充実した灯台巡りをしてくることが出来たためか、彼らも一日がんばってきたのだと思えて、何故か温かい目で見ていた。

Murogahana6新年度の始まりとなる、4月の初めに一日だけであったが、幸いにも佐田岬の灯台を巡る機会が持て、少し時期は遅れていたが桜咲く室ヶ鼻灯台を青空の下で訪ねることが出来た。更に普段目にしていても気にも留めなかった学生服姿にまで春を感じて心が少し膨らんだ。この新しい年度始めは、私にとって忘れられないものとなるような気がした。

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2009年5月12日 (火)

竜ヶ埼灯台(石川県)

Botantoudai能登半島と言えば、輪島の地名を思い浮かべる方が多いと思う。今回は、その輪Tatsugasaki6島市街の北西、天神山に立つ竜ヶ埼灯台(写真右上)を紹介する。私は、私が住む東海地方から金沢までは、ドライブを楽しむ距離として手頃と感じているのであるが、能登半島に入り輪島を目指すとなるとさすがに距離を感じる。この時は能登で宿も抑えてあり、のんびりと出かけることが出来た。

輪島と言えば、輪島塗などの漆芸が有名であるが、観光と言えば『朝市』ではないだろうか。以前勤務医時代に病院の職員旅行で能登半島に出かけたことがある。和倉温泉で宿泊し、前日の宴会の余韻が残る朝、早くから起こされ観光バスで朝市Tatsugasakichizu5_2に連れて行かれた。その時に目をこすり半分眠りながらバスに乗っていたが、道が混んでいたことだけは覚えていたため、今回訪ねるにあたり、道と時間帯には気を使うことにした。幸い滝ヶ埼灯台は、朝市が行われる輪島市内から輪島港を隔てて北西に立つため(地図左上:国土地理院より)、午前11時頃に西から訪れた私には、問題なく訪ねることができた。Tatsugasaki4

灯台の立つ天神山を挟み、輪島港と反対側の西海岸には砂浜もあり、海遊びの家族連れなどで賑わっていた。その海岸に沿って埼に向かうと右上方に広い駐車場があり、そこから灯台に続く階段がある(写真右中)。階段を登り埼の上に着くと、西側寄りに灯台が立ち、5月のこの時には白い花が斜面を覆っていた。灯台は昭和40年初灯と比較的新しいのだが少し汚れも目立ち古く見える。同じ能登半島にある能登小木港犬山灯台は同じ様な形をしていたが、塗装されていて新しく感じた。函館近くの汐首岬灯台にも似た形ではあるが、立地条件や周囲の雰囲気などはかなり異なっている。こうやって比較してみると、個々の灯台の個性が感じられた。

Tatsugasaki3埼の北側には、大大蛇と名が付く岩礁(写真左中)があり、灯台にはそこに向かっての照射灯も備わっている。後から取り付けたと言った感 じではなく、灯塔にはめ込まれている(写真右下)。大蛇に更に大と付いている名称であるが、埼の上から見るとそれほど大きいとは思えなかった。しかし後から地図(左上地図参照)を見て、輪島港に出入りする船舶にとって注意すべき岩礁であることを理解させられた。Tatsugasaki2

薄曇りだが、淡い太陽の光がさす5月の空の下、白い花に囲まれて灯台を眺めていると(写真左下)、ミツバチをはじめ、いろんな虫が私の周囲を飛び回っているいことに気がついた。風が吹くと少し肌寒くも感じる日であったが、これTatsugasaki1 から本格的に暖かくなるのだと感じ、ここに暮らす者であるかのように嬉しくなった。

ちなみに、お昼頃に灯台を後にしたのであるが、すっかり朝市の事を忘れ、東に向かうため何も考えず輪島市内に入ると、休日のこの日、まだまだ観光客は多く、周辺の道は混雑が続いていた。朝市は朝だけの風物詩ではなく、いつでも輪島の観光地であることを再認識させられた。

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2009年5月 5日 (火)

灯台での夜明けを迎えて・・・

Botanomake少し前のブログで紹介した、産経izaの専門家ブログのコーナーに、先日、夜明けに間に合わなかった室戸岬灯台の記事を載せた。夜明けと言う時間帯は、若3い頃には夜の延長として迎えることもあったが、それでも縁遠い時間であった。しかし今は、夜明けを自分の意志で迎えることができる。もちろん、その時を海沿いで迎えるとなると 少し努力が求められるが、冬なら寒さを我慢すれば夜明けの時間は遅く、近くの灯台であれば比較的容易に夜明けを迎えられる。これまでにも愛知県や伊勢志摩方面の灯台の夜明けを訪ねていたが、最も自宅から近い贄埼灯台の夜明けはまだ訪ねていないことに気がつき、冬のある日気ままに訪ねてみることにした。(写真右上は、高知県・唐ノ浜灯台での夜明け)

Yoroisakiyoake夜明けの灯台を訪ねる手段もいろいろとあるが、若い頃の様にずっと起きていて迎えると言うことは難しい。車内などで仮眠を取りつつ迎えるという手もあるが、私はこれ が苦手である。以前、日帰りスキーに出かけ、深夜と言うか早朝に着いたためリフトが動くまでのつもりで車内で仮眠を取ったが、目覚めたときには昼を過ぎていて、既にゲレンデは混み、ほとんど滑ることもなく帰りの時間となった経験がある。そのためか、考えてみると灯台巡りを始めてから夜明けを狙う場合は、全て早起きをして訪ねている。したがって自宅近くか、宿泊先近くの灯台に限られてくる。(写真左上は、三重県・鎧埼灯台沖での夜明け)Isohamaooarai2

夜明けの灯台を訪ねた記憶に新しい所では、茨城県の磯浜灯台(跡)がある。夏の夜明けで、午前4時過ぎには浜に居た記憶があるが、宿が浜辺のすぐ近くだったので、寝起きのままカメラバッグを担いで気楽に訪ねることができた。この時は、残念ながら前日からの雲が東の空を覆い、朝日を見ることは出来なかったが、代わりに荒れた天気の影響で、荒々しい 波を受ける姿を見ることができた。(写真右中は、茨城県・磯浜灯台(跡)での夜明け)

Niesakiyoake1若い頃は、夜明けの時間は静寂な物だと思っていた。大学受検で、始発電車に乗るため2月の夜明け前に、うっすらと積もった雪の道を歩いたときの、あまりにも静かで、暗く、そして寒かった思い出が、私にそう思わせてきたのかも知れない。しかし、今では夜明けを静寂とは思っていない。夜明け前の時間を灯台近くで過ごすと、実にいろいろな音が耳に飛び込んでくる。岬からは鳥たちが一斉にさえずり始め、海では既に船のエンジン音が響いている。漁港に近いところでは、人の話し声すら聞こえてくる。(写真左下は、三重県・贄埼灯台での夜明け)

いつの間にか私は、夜明けを灯台近くで迎えることが、一つの楽しみとなってきた。ありふれた表現だが、心の中に、ピンッと張り詰めた物を感じ、希望と活力があふれてくる。感謝ではなく、自分の手の届かない何かに向かって祈りを捧げたくなる。そんな気持ちにさせてくれる夜明けの灯台での時間に魅了されているのだろう。

見慣れた三重県の贄埼灯台で夜明けを迎えながら、そんなことを考えてカメラのシャッターを切っていた。

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