岩井埼灯台(宮城県)
前回の歌津埼灯台のブログでも書いたことだが、今回の灯台巡りは、とにかく気ま まと言うことを考えていた。当初は気仙沼方面から順に巡ろうと思い、唐桑半島の御崎岬灯台を目指していた(地図左上:Mapfanより)のであるが、途中で『階上』と言う地名を見つけたため、最初から気ままに変更である。と言うのも、以前青森県の灯台を巡ったときに訪ねた階上灯台を思い出したからだ。階上と書いて「はしがみ」と読む。ただし宮城県のこちらは、陸前階上である。いずれにしても、その名がつく場所を訪ねてみたいと言う気持ちが抑えられなくなり、そのまま少し南の岩井埼灯台(写真右上)に向かう事に変更したのだ。
陸前階上は、ちょうど岩井埼への分岐点周辺の地名である。名前が同じと言うだけで、特に目を惹くものはなかった。ところが、もう少し走ると、波路上(はじかみ)という地名が目に付いた。ちょうど岩井埼灯台が立つその周囲は、波路上岩井埼と言う地名なのだ。「はしがみ」と「はじかみ」。偶然ではなさそうであるが、その点を追求することはかなわなかった。
岩井埼は、海岸沿いに観光地となっていて、更に周辺は磯岩に囲まれ海遊びや海の生き物を採取する子供たちがたくさんいた。灯台はそんな磯浜の松林の中に隠れるように立っている(写真右中)。松林の中から灯台を味わった後、私も子供たちと一緒に、磯の岩場を注意しながら海側に進んで、灯台を海側から見てみることにした。実にスリムな灯台で、更にその姿は松に隠れて存在感は薄く感じた。
正面の海を見ると、気仙沼湾を隔てて、大島が見えた(写真左中の左)(地図右下:国土地理院より)。大島の先端には龍舞埼があり、そこには陸前大島灯台(写真左中の右)が立っているはずである。早速三脚を組んで400mmの望遠を構えてみた。確かにその姿が確認できた。と同時に『大島に渡ろう!』と気ままな思いが浮かんだのである。
そう決めて、もう一度岩井埼灯台を見ると、存在感が薄いと感じた灯台であるが、陸前大島灯台とで 気仙沼湾を挟んで点灯されている姿を思い浮かべ、やけに存在感を感じてしまった(写真左下)。相変わらず環境や思い込みに左右されてしまう自分を意識しつつ大島を目指して灯台を後にすることにした。
ところが、気仙沼港に着いて大島へ渡るフェリーを確認すると、ちょうど良い時間のフェリーは既に空いていない。次のフェリーまで待っても良いのであるが、そうするとどうしてもこの日訪ねたいと思っていた大須埼までたどり着けなくなる。結局あきらめて、そのまま歌津埼に向かうこととなったのだ。
気ままと無計画は別物であると、今更ながら反省しきりであった。
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