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2009年12月 8日 (火)

使えない夜明け(安乗埼灯台)

Botanomakeこの時期になると、年賀状の写真を考えてしまう。灯台の立つ風景を追い続けている自分としては、灯台写真、しかもとっておきの一枚を利用して新年の挨拶を送りたいところである(誰も楽しみにはしていないだろうが・・・)。自信作とも言えるお気に入り写真はたくさんあるのであるが、新年のご挨拶の一枚である。やはり日の出が写った写真を選びたい。ところが、何故か自信作は夕日の写真ばかり。夜明けのお気に入り写真はなかなか見つからない。以前の『灯台での夜明けを迎えて・・・』と言うブログで紹介した写真では、私のプライド?が許さない。かと言って新年早々夕日の写真というのもどうかと思う・・・。Anorisakiyoake1

そこで、地元三重県の灯台で夜明けの写真を撮ろうと考え、天気予報に注意を注いでいた。ちょうど日曜日が快晴マークの予報。午前4時前に起きて車を飛ばして伊勢志摩地方の灯台を目指した。実はこの時、何処の灯台に行くか決めていなかったのである。朝日が綺麗な海岸はいくつかあるが、灯台と共に狙える場所は少ない。鎧埼か安乗埼どちらか決めかねる間に伊勢を過ぎ、結局灯台が大きいという理由で安乗埼に向かうことにした。ところが、夜明けが近づくと、空には案外雲が多いことがわかった。何となく不安を抱きながら堤防の道、そして民家の細い道を抜けて埼に到着した。

安乗埼は、思い出深い灯台である。まだ灯台巡り駆け出しの頃に、今は親しくなった灯台巡Anorisakiyoake2りの大先輩と互いを知らない時にここで出会っていた。灯台の下にずっといるため、写真を撮るのに邪魔だった記憶しかないのであるが・・・。そしてそれから1年後、ある店で、私が灯 台の話を大声でしていたことがきっかけでその方と知り合ったのである。そして安乗埼灯台は、その灯台巡りの先輩のお気に入りの一つである。

まだ真っ暗な中、カメラを三脚に構えつつ、思わずため息が出た。一つは空の雲の多さである。頭上ならともかくも、水平線上に雲がある。そしてもう一つは茜色に輝く向きが灯台を背景に撮るには、すこし角度がありすぎることだった。頭の中では、もう少し灯台に近い向きから夜が明けてくると考えていたのである。

この日、私以外に5人ほどのカメラマンが朝日を狙っていたが、『あかんな~』とか『雲が多すAnorisakiyoake3 ぎ~』と言う、私の心を代弁している言葉が聞こえてきた。

結局、太陽の形が見えたのは、水平線上の雲の上に登ってからで、更に頭上に続く雲も多く、どう考えても年賀状に使えそうにない。いや使うのは私のプライドが許さない写真だった。使えない夜明けの写真だが、ただ訪ねただけで満足できる自分にも気がついていた。

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