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2010年5月25日 (火)

角島灯台(山口県)

Botantoudai灯台巡りを重ねるごとに、どうしても訪ねたい灯台は増えるばかりである。今回Tsunosima7紹介する角島灯台(写真右上)もそんな灯台の一つであった。地元の灯台であれば、幾度も訪れる機会が持てるが、遠方の灯台ではそうはいかない。だからこそ、出来る限り良い条件で灯台に出会いたいと願うが、そうはうまくいかない。登れる灯台の一つとして期待して訪ねた福島県の塩屋埼灯台では、強風のため登れなかった。青空を背景に立つ灯台の姿を心に描いて訪ねた沖縄県の残波岬灯台では、暗い雲が背景だった。しかし、強風で登れなかった塩屋埼灯台の思い出は、強烈であり再訪問を心に誓い、残波岬灯台では、平和な今を意識しながら灯台を見上げることができた。更に、石川県の猿山岬灯台では、曇天Tsunosima2であるが故に新緑の香りが漂う空気を感じつつ、灯台を味わった。早い話、灯台の立つ姿に魅せられて巡っている者であれば、どんな条件であっても個々の思い出や感動が生まれてくるのである。今回紹介する角島灯台も、曇が広がり始めた中で訪れたが、結論から言えば、御影石造りの保存灯台としてのその姿、第1等灯台のフレネルレンズ、そしてプラントン最後の設計灯台。これらで私Tsunosima1には十分だった(写真左上)。

下関の中心部から沿岸に沿って北上すると、徐々に日差しが減って雲が重なってきた。少し残念な気持ちを抱きつつ角島につながる橋を渡った(写真右2番目)(地図左2番目)のであるが、遠景で灯台が見えると、そTsunosima8chizuの姿に惹かれ始めた私は、既に曇天のことなど気にしていなかった。駐車場に車を止めると、はやる気持ちを抑えながらカメラリュックを背負って、灯台の立つ公園に進んだ。

正面から見ると、何ともコントラストのある灯塔が美しい。白い灯台では味わえない濃淡のTsunosima5演出にしばらく感動して見上げていた。すぐ横には照射筒が併設されている。沖の方に目を向けると、岩礁が幾つか顔を出している。ゆっくりと公園内を歩いて灯台を見上げた(写真右3番目)。どの角度から見ても、これまで味わってきた灯台とは異なる趣を感じる。灯台後方の建物の屋上に上がると、Tsunosima3灯台を少し高い位置から見ることができる。まったく異なった作りであるが、京都府の経ヶ岬灯台を思いだした。

角島灯台も参観灯台として登れる灯台である。登っていくと、紅色のらせん階段の白い壁に開けられた窓から入る曇天の光が歴史を強調してくれた(写真左3番目)。展望に出ると、夢ヶ埼の景観と共に、沖の岩礁も目に飛び込んでくる(写真右下)。考えてみれば、このとき曇天など全く気にしていなかった。Tsunosima4

灯台裏には、灯台守の宿舎だった場所が資料館として整備されている。改めてプラントンの説明に認識を深めさせていただいた。

Tsunosima6いつもであれば、海を背景に灯台が立つ姿をお気に入りとして撮るのであるが、灯塔の姿に魅了され、そのコントラストに興味を惹かれたからかもしれないが、濃淡をイメージする写真を多く撮っていたような気がする。今回のお気に入りは、その意味でもモノクロとなってしまった(写真左下)。

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コメント

この灯台は芸術の粋ですよね。
自分も3回訪ねましたが時間を忘れるほど見とれてしまいます。
見るアングルも360°全方位からでも絵になり、灯台の内部も御影石で造り込まれ、レンズも8面閃光の一等フレネルレンズ。

夜になると傘を広げたような光芒が放射状に広がり美しい風景です。

ただ…自分が訪れた時はこの灯台の参観窓口の男性の対応の横柄さに気分を害しまして…
この窓口がいる間は行きたくないと思うほど立腹してしまったのが折角の楽しい灯台めぐりの汚点になりました。

投稿: 玉助 | 2010年5月26日 (水) 00時26分

玉助さん コメントありがとうございます。
私は、もちろん初めての訪問ですしたが、
感動させていただきました。

投稿: ヒデ先生 | 2010年5月26日 (水) 12時23分

ホームページをこれから作成しようと思っていて、メインになる画像を探していてこちらの写真をたどりつきました(^^)!
すごく!すごく!素敵な写真で、ぜひホームページtopメインの画像に使わせていただけたらと思うのですが、掲載可能でしょうか?

投稿: 峰岡愛子 | 2011年7月12日 (火) 10時34分

峰岡様 コメントありがとうございました。
こうやって、一報入れていただければ十分です。
どうぞご自由に使ってください。

またHP完成したら、訪ねますので、
サイト連絡下さいネ~!

投稿: hide | 2011年7月12日 (火) 12時41分

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