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2010年8月 4日 (水)

宇品灯台(広島県)

Botantoudai_2Ujina4灯台は、近くから見上げる時と遠くから目に写る姿では、その表情や雰囲気が異なることがある。平坦な場所や浜辺、あるいは岩礁に立てられた灯台では、そう感じることが少ないことから、周りにある物、中でも樹木の影響が強いのかもしれない。今回は広島に立つ宇品灯台(写真右上)を紹介するが、灯台のすぐ後ろに立つ木の存在感が強く、独特の雰囲気を創り出している中で見上げたが、その後連絡フェリーに乗って海上から見た姿とでは、受ける印象はかなり異なっていた。

Ujina7広島を訪ねたのは久しぶりで、土曜の夕方に市内での用事が済むと、早速「お好み村」に出かけてお好み焼きを楽しみながらビールで喉を潤した(写真左上)。翌朝レンタカーを借りて行動を開始したのであるが、残念ながら前日の梅雨の晴れ間は続かずに曇っていた。宇品灯台が立つ埼は、東にマツダの工場が続き、西は広島港から工場が続く場所であるが、灯台周辺は公園やマリンスポーツ、フットサル場、更には大型ホテルなどもあり、憩いの場の雰囲気がある。埼の東側に車を止めて、切り立った木々に覆われた斜面を見上げながら海岸線の道を歩いたのだが、灯台の姿は見えない。どうやら埼の中心へ向かう道を登るべきだったらしい。と言っても引き返す気になれず進むと、西側に廻った所に登り口があったUjina3_2

木々に囲まれた道を登るとすぐに灯台に着く。が、実際には灯台よりも先に大きな樹木が目に入った。幹の太さもみごとだがその枝の広がり方なども素晴らしい。樹齢もかなりのものだと思う。自らの広がった枝や葉によって作られた神聖な雰囲気さえ漂う薄暗い根元周辺に立つと、灯台の存在を忘れて樹木を見上げてしまった(写真右中)。灯台の真下からでないと枝が邪魔をして全景は見らUjina2れないが、当然投光器の部分は見えない。離れれば枝の間から投光部分も見えるが、明らかに樹木の存在感の方が強い(写真左中)。

構図を悩みながらいろんな角度から写真を撮っていると、一人の男性が現われたのだが、ちょうど灯台に背を向けるようにして樹の幹に近づき、しばらく何かつぶやいてから手を掌わせた。やはりそう言った雰囲気のある樹木だけに違和感なくそのシーンを見ていたのだが、すぐ後に年配の女性がやはり同じように訪れて合掌されていた。きっと戦前からこの地に育つ樹木であり、私が何となく感じる雰囲気だけでなく事実多くの人の、心のよりどころとなっているのであろう。Ujinachizu7

灯台を訪ねたのに、この樹に完全に魅了されている自分を感じながら、灯台を遠景で眺めてみようと思い立った。埼を歩いてもどこからも灯台は見えない。位置的に海上からしか不可能なようである。そこで前回のブログ記事にも書いたが、音戸灯台に立ち寄って、その後能美島の切串港から連絡フェリーに乗って宇品灯台を見ることにした(地図右下)。瀬戸内はさすがに波も静かで、のんびりと広島港に近づいた。右手に宇品灯台の姿が見えてきた。近くではあれだけ存在感が強かった樹木も木々の中に紛れ、そこには毅然と立つ灯台の姿があった(写Ujina6真左下)。

以前、灯台と神社と言うおまけ話のブログ記事を書いた。トイレの神様に代表される日本人にしか理解できない八百万の神として、海上から見る灯台の光りは神なのかもしれない。そしてその後ろで大地に根をはって生き続けるあの大樹もその存在が神となっているに違いない。

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