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2015年10月

2015年10月19日 (月)

田子の浦港西防波堤灯台(静岡県)

Botantoudai_2今回紹介する灯台は、静岡県富士市の田子の浦海岸に立つ灯台である。繰り返しのお知らせになるが、私の灯台巡りでは、原則として自然の土地に立つ灯台を紹介している。従って防波堤灯台を取り上げるのは珍しい。すぐに思い出せるのは地元三重県の磯津港南堤防灯台 くらいであるが、他に思い当たる灯台であっても島堤灯台であり、一応自然の岩礁の上に立っている。今回の田子の浦港西堤防灯台も、厳密には堤防に立っているのではなく、岩礁の周囲を固定した台座の上に立っており、その意味でも取り上げることにした。(回りくどい言い訳のようであるが・・・)

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天気予報は晴れだったが、見事に裏切られて、雨こそ降らない曇天。本来なら『田子の浦に うち出でてみれば白妙の 富士の高嶺に雪は降りつつ』の如く季節は違えど、富士の姿を背後に感じながらこの灯台を楽しむつもりであったが、それはかなわなかった(地図参照)。

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港公園として整備された海岸の端の堤防の先端にその姿はあった。田子の浦の海岸はテトラポットが重なり並べられており、海に近づけないようにされたその風景からは、浮世絵に描かれるような光景を想像するのは難しそうである。それでも曇天の下、灯台から西の海岸を眺めると、テトラポッドに打ち付ける白波、そして遠くに見える煙突の煙が、風で横になびく風景は、私には田子の浦として記憶に残りそうであった(白黒写真)。

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この日は風が強く、海も少し荒れていたためか、灯台に近づくと、かなり高い堤防の上まで波しぶきが舞い上がっている。私が訪ねたとき、若いカップルが灯台に一番近い堤防に座っていたのであるが、波しぶきを浴びたのか、大きな悲鳴と共に立ち去っていった。入れ替わって私が近づくと、堤防の高さは、灯台の真ん中あたりまである。通常、灯台は見上げる写真が多いだけに、同じような高さから眺められて、少し興奮気味に、波しぶきが襲ってきてもすぐにはその場を離れられなかった。田子の浦は砂浜海岸とは言え、すぐに深くなるのだろう。比較的大きな船が、近くを進んでいた。

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少し離れて、港公園から海岸線を見下ろすと、灯台は海岸線に立っているように見える。一首が読まれた光景は無理でも、なんとかイメージを膨らまして、海に出て富士を、そして灯台が見える光景を思い描いてみようとしたが、現実に流される私の頭には、そんなイメージは浮かばなかった。ここに暮らし、この公園をよく訪れる人も多いであろう。そんな人たちは、田子の浦と言ったイメージはどんなものなのか尋ねてみたい気がした。

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つまらないことだが、どうしても付け加えて書いておきたいことがある。到着したのが昼を過ぎていて、田子の浦漁港で、有名なしらす丼を食べられなかったことだ。その後伊豆まで足を延ばしたのだが、ずっと悔いが残った。

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