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2023年9月 2日 (土)

岩井崎灯台(震災前に訪ねた記憶と共に)宮城県

Botantoudai_2_20230902095901ようやく、コロナも一段落して、灯台巡りを前面に押し出して旅行に出かけることが叶った。医療従事者である自分の中にもいろんな思いがあったが、それを語り始めたら皆さん同じであり、ここでは控えたい。それよりも目的地を、三陸方面にすることが、今回一番強く願ったことであり、思っていたことである。2023826iwaisaki08

2009年、東日本大震災の2年前の夏に同じ地を訪ねていた。家族と福島で合流して旅行する前に、何も予定せず気仙沼から南に下る形で灯台を巡ったのであるが、印象深い灯台、地元で出会った人たちとの会話、そして行き先を地名で決めた気ままな旅であったことも思い出される。そんな中、今回紹介する岩井埼灯台は、気仙沼の南に位置し、大島と向き合う気仙沼への入り口にあたる。震災が生じたとき、何もできない自分がメディアから入る情報を元に想い描いていたのが、この地だった。是非とも先に2009年にまとめてアップしてあるこの岩井崎灯台の記事を読んでいただいてから、今回の記事を見ていただきたい。

今回は、震災復興後の姿も見させていただきながら、仙台から海岸に沿って北上して陸前高田まで行く予定であった。南に位置し、今回必ず立ち寄る予定であった大須埼灯台には、既に立ち寄っていた(ブログは後日)。ここに来るまでに、いろんな地で震災の大きすぎる爪痕に驚いたが、それ以上にこの数年でここまで復興されたこの地域の方々、いや人の力のすごさにも驚いた。想いや心の傷は別として、物理的な傷跡は探せば見つけることはできた。しかし、遠目からだけでは何も感じさせない程の復興である。震災や復興について語る資格など持たない自分であるが、本当にいろんな意味で驚き、学び、そして考えさせられた。

2023826iwaisaki05 2009年の時は、階上(はしがみ)という名前に引き寄せられて訪れたのであるが、階上の地も多くは波にのまれた。埼へ向かう途中に気仙沼向洋高校跡地に作られた東日本大震災遺構・伝承館がある。その姿を見ながらも、岩井崎灯台は?といろいろ考えつつ車を進めた。築かれた堤防などを登って海側に出ると、公園として広がる土地はそのままであったが、その姿はやはり

変わっていた。とにかく松の木が減っていることは直ぐに気づいた。以前は松林に隠れた先に埼があり、灯台の姿は見えなかったが、敷地内左手(大島方面)に灯台の姿が既に見えている。広がった芝生の先には海も見えていた。まず抑えられない気 持ちで灯台の全貌を確認したくて立ち止まること無く歩いた。2023826iwaisaki06

埼の先端に着くと、左手の灯台が立つ手前の岩場で子供達が水遊びをしていた。しかし、松林に隠れて立っていたはずの灯台は、新たに作られた土台で固められ、数本の松と共にその姿があった。ただ記憶の限りでは灯台の姿は変わっていなかった。『残ってくれていたんだ』と熱くなった。波が岩場で砕ける音や白波が立っている光景など同じものもある。しかし見渡すと多くが変わっていることに気づく。遠く気仙沼の奥に繋がる対岸には、海岸線に沿って白い防波2023826iwaisaki03 2023826iwaisaki04 堤 がずっと続いている。以前には無かったものであるが、それは被災後の対応である。ある意味、今この時だけを切り取れば、見えてこない物ばかりかもしれなかった。

周囲の写真などを撮りつつ、対岸の大島に目を向けると、前回姿がはっきりしなかった龍舞埼灯台の姿がはっきり見える。カメラのレンズを望遠にて覗くと、明らかに以前より周囲の松の木が減っていた。特に埼の中腹から生えて上に伸びていた松の木が減っているのである。今この時の感覚から戻され、改めて想像すらできない被災時の状況を2023826iwaisaki01 2023826iwaisaki02 思うと震えが止まらなくなった。ここに来るまでにも多くを学んではきたが、以前訪ねたこの地で、ようやく理解、いや、知った気がした。

広場に、津波に残った松が竜の姿として津波がやってきた海の方を向いて残っていた。『負けない!』 目の部分をみて、また熱くなった。この想いを抱く多くの人たちがいたからこそ、深い悲しみや絶望から立ち上がり2023826iwaisaki07 ここまで復興して、私のような者でも、ここに、今、こうして来させてもらうことができたんだと。

 

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