立石岬灯台(四度目の訪問)
三度目までなら、いろいろ言い訳も出来るが、四度目となると何も言えない。ただこの灯台が好きであると言うこと。この灯台への行程がちょうど良い距離であること。そして勿論灯台の立つ風景が好きだからである。今回は、4度目の訪問となる福井県の立石岬灯台について、雑談を交えてまとめることにした。
勤務医時代に、GWだからと休もうとすると、必ず呼び出されたり、受け持ち患者様の容態が悪くなる、と言う教訓から、GWに出かけることは開業医となった今もほとんどしない。出かけるとしても日帰り程度だ。しかしこの頃の季節。車を運転したくなるし、汗もかきたくなる。GWに行けなかった代わりに、思い立って5月12日の日曜日に車を走らせることにした。適度に運転を楽しめる距離と行程、適度に汗をかける山道となれば、思いつくのが立石岬への山登りである。立石岬を初めて訪れたのは2006年で、その後すぐにもう一度訪ね、2009年6月に夕焼け時に三度目の訪問をした。全て5-6月の季節である。間違いなく同じ動機でここを目指したような気がする。すなわち、ドライブと山歩きである。言うまでも無く、立石岬灯台の立つ風景が好きだからこそである。初めて訪れた後、集中豪雨で通行止めとなったり、熊が出没したとの情報が流れたりで、訪ねにくいこともあったが、やはりこの灯台は私の原点であるような気もする。
今回も同じように気ままに日曜早くに車を走らせた。10時前には灯台近くの漁港に車を止めてカメラリュックを背負って灯台を目指した。初めて訪問したときと比べて、間違いなく『熊に注意』の看板が増えている。それだけじゃ無い、『イノシシ注意』の看板もある。これまでこの灯台を目指すときには、リュックの奥に入れたままてあった「熊鈴」を取り出し、外側に取り付け、歩くと小気味よくカランカランと鳴るようにしてから山道に踏み込んだ。
ここを訪ねた方ならご存知であろうが、道は整備されているが、最初に急な階段が続く。最初の階段を登ったところで、既に汗が流れ落ちた。鶯の鳴き声と、風に揺れる木々の音、そして私が放つ熊鈴だけが響く中、灯台を目指した。階段の後にはコンクリートで固められた坂道。日陰の部分が多いため、うっすらと緑色の苔が覆い、登りには気にならないが、下りでは足を滑らせ転倒しそうになる。
半時間もかからず灯台にたどり着けるが、要した時間以上に灯台が高い位置に立っていることがわかる。こんなに高くまで登ったんだと驚くほど急な登り坂なのだと実感できる。
灯台はいつもの姿で私を迎えてくれた。まだ草も茂っておらず、広々とした印象を改めて持った。少し霞んでいて、海上を見渡す景観は今ひとつであるが、春の日射しは予想以上に強く感じた。まだまだ緑が黄色い木の葉から漏れる光も夏の日射しに似ている気がした。
またきっと訪ねるに違いないが、次回こそは異なった季節に訪ねて、その違いを味わってみたいと思う。春ではないその季節。きっと違いがよくわかるはずだ。
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