カテゴリー「四国の灯台」の記事

2021年1月31日 (日)

再訪:蒲生田岬灯台(徳島県)

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前回同様の書き出しとなるが、随分久しぶりの更新だ。これも同じで、コロナは未だ終息どころか収束もしていない。

開業医である私も、前線で戦っていただいている医師とは全く異なるがいろんな形で振り回されている。ここへ来てワクチン接種の対応にも医師会として行政自治体と共に頭を悩ませている。そんな中今回更新するのは、既に訪ねた20208kamotda1 徳島県の蒲生田(かもだ)岬灯台である。灯台巡りを始めて比較的初期に訪ねており、今回再訪して前回と異なる点もあったが、車でたどり着く道順は相変わらず悩ましかった。

第2波と言われた2020年の夏に、人と接触しない様にずっとマイカーを運転し、宿の人とコンビニ店員以外話すことも無く巡ったのだが、マイカーであり他府県ナンバーである。徳島ナンバーばかりの中注目をあびてると感じたのは、気にし過ぎだったのだろうか?

20208kamotda5 暑い日差しの中以前と同じ駐車場に駐めると、灯台に向かう道の海岸寄りに、『かもだ岬』と掘られた石版、そしてハート型のモニュメントが目に入った。急いでネットで調べると、「恋する灯台」と称されたイベントでここも選ばれ、それを記念して作られたモニュメントだった。ハートの中でカップルが記念写真撮るのだろうが、他の人がいない確率の方が高く、シャッターを頼めないはず。であればせめてカメラやスマホを乗せて撮れる台も設置すべきでは?などと親心で見ていた。20208kamotda4

灯台に続く道から伊島が左前方にみえる。きっと天気のせいだろうが、前回より近く感じられた。急な階段を上って岬に上ると変わらない姿がそこにあった。ただ前回修理中だった柵は完成して、のぞき込むと崩れ20208kamotda2 そうな岩肌がコンクリートで固められていた。

前の記事でも書いたと思うが、四国の最東端である。何となく鳴門海峡か?と思いがちであるが、地図で見るとよく分かる。とは言え、この日この時間に訪ねた人は私以外に2人だった。

まだ訪ねていない灯台に行きたいと思いつつもここに行こうと何故考えたのかはっきりしない。ただ小さな点灯式の灯台であってもその立地は230度ほど海に囲まれた岬であることが一因だったのは間違いない。前回訪ねたときに近くの阿南市で宿泊したときに体験した多くのエピソード、そしてその時関わった多くの人との思い出は、このコロナ禍だからこそ思い出さずに20208kamotda3 はいられなかった。

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2020年8月24日 (月)

箱埼灯台(香川県)コロナ禍の灯台巡り

Botantoudai_2_20200824193801久しぶりのアップである。 残念ながら、まだコロナは終息どころか、収束もしていない。

Hakosaki202082201 そんな中、毎年のようにお盆期間を仕事した自分は、21日から夏期休暇をとった。GO TOキャンペーンもあるが、世情では、いわゆる普通の旅行はなんとなく気が引ける。そこで、宿の人以外とは接触しない灯台巡りを思いついて、GO TOキャンペーンを利用して出かけた。自家用車で
移動して、車外ではマスク、更に宿の人以外とは誰とも会話せず、食事は十分対策された宿での食事のみで、昼食は車内。宿はGO TOのおかげで少し高級な宿にし、おかげで、十分に対策されていて安心して利用できた。もちろん灯台では誰にも会わないはず・・・だったのたが、今回紹介する箱埼灯台では、なんと灯台に行く最後の岬の海岸線に数名の人の群れが・・・。海遊びに来ている若者の集団のよう。仕方なく、灯台に近づくのはあきらめたのだが、なんか戻ってきてから、マスクして通り抜ければ良かった気もして、少し残念である。

今回は、既に訪問したこともある灯台を数カ所巡りつつ、少し高級な宿でのんびりすると言った計画。今回 紹介する香川県の箱埼灯台だけが、Hakosaki01chizu 完全に初めての訪問である。ここに到着するまで、運転していると、周囲の車は全て地元の香川ナンバーばかり。なにげに後ろに付いた車の運転手が、私の車のナンバーを気にしているのでは・・・?となんか気にしすぎるくらい気になって運転していた。更に箱埼に近づくと地元車以外は走っていないような・・・。気にしすぎかもしれないが、偏見や誹謗中傷の昨今。とにかくおとなしく運転していた。

Hakosaki202082203 かなり狭い道も進むが、細く曲がりくねった道よりも、その暑さが気になった。14時頃着いたのだが、車外の気温は35.5度。日陰を見つけ車を駐め(ナンバーがわかりにくいような形で・・・)て、灯台を目指した。灯台を目指す感に狂いはなかったのだが、前に書いた若者の集団が海遊びをしていた。かなり大声や歓声が聞こえ、完全に自粛してしまった。岬の反対側の山の方に回って道を探したが、灯台の頭しか見えない。それでも瀬戸内海の穏やかできれいな海、真夏の青空に忘れかけていた興奮がよみがえった気分であった。何枚か写真を撮り、その 後、来た道を戻って、もう一度遠景から写真を撮った。Hakosaki202082202

灯台は、よくある円柱型のロウソク型。それほど珍しい灯台ではなく、ここまで来なかったら思わなかったであろうが、灯台に近づいて写真が撮れなかった事は、コロナ禍と言った思い出とは別に残りそうである。

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2020年4月14日 (火)

江崎灯台(誰にも会わない灯台巡り)兵庫県

Botantoudai_2_20200414201401随分と久しいアップだ! 今、世界中が新型コロナウイルスの脅威にさらされている。なぜそんなときに灯台巡りのブログをアップ? ここ数年仕事の負担と、プライベートな事情で灯台巡りはめっきりと減った。しかし続けてはいる。ただ年に数基の灯台しか訪ねられないからこそ、できる限りまだ訪ねていない灯台を目指している。当然遠方の灯台が多く、なかなか訪ねにくく、結果として記事が書けなEsakisakura06 かったのである。で、今回は再訪問である兵庫県淡路島の江崎灯台をアップする。その理由は、3密(きっと今年の流行語大賞クラスの周知である)が新型コロナウイルスの感染拡大防止に求められている状況。必然的に外出の機会も減る。人に会わずにとりあえず休日を楽しみたい!・・・灯台巡りしかないじゃない!って感じで、一人車を飛ばし(サービスエリアに立ち寄ることもせず、誰にも会わず)一気に江崎灯台を訪ねたと言うのが理由である。更に、桜が満開のはず(今年花見も多くの地域で自粛だった)であり、桜を入れて灯台の写真が撮りたかったのである。

江崎灯台まで、数年前に比較すると更に近くなった。ほぼ新名神がつながり、私の住む三重県亀山からだと、3時間程度である。更に自粛のためなのか、マイカーが少なく、物流トラックが中心。流石、彼らは不必要な右車線走行もないため、順調に走れる。4月最初の週末(この週明けに緊急事態宣言が発出されたのだ)、うららかな日差しの中、誰もいない江崎灯台に着くと、阪神淡路大震災の爪痕が残ったEsakisakura04階段を駆け上って、灯台後方の広場に出た。予想通り桜は満開である。

Esakisakura03 ウグイスの鳴き声が響く静寂の中、いろんなことを思い出した。はじめてこの地を訪ねたとき、夕暮れのこの地を訪ねたとき、明石大橋の対岸から、この灯台の光を撮影したときなど。そして時間が流れた。予想もしなかった、新型コロナウイルスの脅威。誰もが、この時期TOKYOU2020オリンピック・パラリンピックに向けて盛り上がる興奮を抑えていたに違いなかった。開業医である私も、ここ数日の間に何度も、発熱患者様で疑いのある方に対応するため、防護服、防護マスク、防護シールド、手袋で診察室を出て車越しに診察することもあった。

いったいどうなったんだ!って多くの人が不安に押しつぶされそうになっている。しかし灯台に来て、その姿を見ると、人間だけが慌ただしく、愚かだと思えてくる。誰も言わないが、形こそ変化すれウイルスは人類よりずっと先に地球上に存在してきた。そんな地球を、自然を、我Esakisakura02が物の様に破壊してきたのは人間だ。地球が、いや、この世界が怒っているようにも思う。

Esakisakura01 その反面、この世界は優しさにあふれているとも感じた。桜は咲き誇り、ウグイスは自慢げに鳴いている。この自然に、世界に目を向け耳を傾けたら、優しさは至る所から感じられた。今一度、人は小さな存在であると言うこと自覚しなくては・・・

そんな、哲学者にでもなったようなことを思っている間、結局誰一人として灯台を訪ねる人はいなかった。つまり誰にも会わずに、目的を達成できそうだ。コンビニも寄らないために持参したお茶を飲み、駐車場のトイレで用を足し、しっかりと手洗い、アルコール洗浄をして車に乗り込み三重Esakisakura05 に戻ったのである。ここまで誰にも会わなかった灯台巡りは、ある意味初めてかもしれない。

 

 

 

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2014年7月17日 (木)

地蔵埼灯台(香川県小豆島)

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小豆島には有名な灯台が二つあり、一つは以前紹介した大角鼻灯台、そしてもう一つがJizousaki06_2今回紹介する地蔵埼灯台である。どちらも四国側に立っているが、地蔵埼灯台がある三都半島先端の釈迦ヶ鼻は、播磨灘から備讃瀬戸の海域に入る最も狭い場所、つまり一番四国に近い場所であり、重要な海域である(地図左上:Mapfanより)。またここからの景観は讃岐百景にも選ばれている。2014年の春に訪れたのだが、ちょうど桜が終わる頃。地蔵埼灯台周辺は桜の木も多く、少し葉桜となっていたが、淡いピンクが混じった景観は素敵である(写真右上)。夕暮れ時Jizousaki09chizuや早朝ならもっと讃岐百景を楽しめたかもしれない。

灯台の話題から離れるが、私の中では、小豆島と言えばオリーブである。以前岡山県の牛窓港灯台 を紹介したときに、牛窓は日本のエーゲ海と言われ、オリーブ畑も多かったと記事にしたのであるが、小豆島はそんな比ではなく、オリーJizousaki08ブ畑が何処にでも見られた。特に小豆島の南岸は海に下る斜面にオリーブ畑が広がっている景観が多く、少しでも海が見える場所では、更にエーゲ海をイメージできそうであった。以前から、私はオリーブの緑には何か惹かれる物を感じていた。せっかく小豆島に来たのだからと、オリーブ園(写真右二番目)に立ち寄り、育て方などを教えてもらい、いつの日か自分宅の庭に茂る姿を思い浮かべて、苗木を二種類購入したのであった。

Jizousaki07もう一つ余談になるが、『エンジェルロード』(写真左二番目)なる観光地がある。瀬戸の潮の満ち引きによって、島と島の間の砂浜がつながったり無くなったりするのである。恋人同士で手を繋ぎ、この砂浜を渡ると幸せに・・・と言ったキャッチフレーズ。幸い家内と訪ねたので、年齢的に少し恥ずかしさを覚えながらも訪ねてみた。天候や時間などによって雰囲気も異なるではあJizousaki02ろうが、私には普通の海岸にしか感じなかった。と書くとロマンが無いと言われそうであるが、そう感じた理由は他に有り、この時カップルでいたのは私たちだけで、他はご年配の団体や私たちよりも年配の別々に歩かれるご夫婦、そしてご家族連れだったからである。(若い二人連ればかりなら浮いていたはずであるが・・・)恋人達の・・・と言ったイメージを味わう雰囲気ではなかったのである。

Jizousaki05さて話しを戻すが、地蔵埼にたどり着くまでの道は整っており、最後まで車で進入可能であるが、途中かなり人気のない道も進む。しかし南向きの埼に向かう道であり、そのイメージは暗くない。ちょうど灯台の前が広場となって、そこで道が終わっている。灯台へはとても高い門により閉ざされ、更に周囲はかなり広い範囲にフェンスが張り巡らされている。門の前には、海を背景に灯台含めて(写真左三番目)景観を楽しむ展望台が設けられているが、私の興味は灯台でありJizousaki04、なんとか敷地内に入りたかった。しかたなく、少し周囲のフェンスに沿って歩き、一部低くなっている所を見つけて、そこから不法侵入することにした!! やはり敷地内は高低差もあるが、予想以上に広かった。灯台に近づいて横側から海を背景に写真を撮り(写真右三番目)、その後は子供のように自由に敷地内を歩き回っJizousaki03た。灯台の正面は海に向かって下っており、その下には少し葉桜となった桜。桜の間から青空を背景にそびえる白亜の灯塔(写真左右下)。やはり敷地内でないと味わえない情景である。今考えると、灯台も桜もと欲張った露出で写真を撮ってしまったが、桜を中心に灯台は光に滲ませるべきだったのかもしれない。とは言え、この時はカメラ小僧のように写真を撮っていた自分だった。

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2014年4月24日 (木)

大角鼻灯台(香川県小豆島)

Botantoudai今回は、香川県小豆島に立つ大角鼻灯台の記事をまとめる。小豆島は、その名前Ookadohanablog6_2 と共に、映画のロケ地やオリーブなどが有名なことは知っていた。しかし改めて地図でその位置を確認すると、播磨灘から西に狭くなる東側のほぼ中央であり、海路上重要な場所に位置していることに気づかされる。と、地理的なお堅い話から始めたが、思いがけず桜の季節に時間が出来て訪ねることが出来た小豆島Ookadohanablog7の魅力を交えて、数回に分けて記事をまとめてみたい。今回は、小豆島の南東に立つ大角鼻灯台(写真右上)をまとめつつ、周辺も紹介してみたい(地図左上:Mapfanより)。

小豆島というと私の中では『二十四の瞳』である、と書くと年齢がわかる。勿論オリーブも思いOokadohanablog8浮かぶし、最近では『八日目の蝉』や『魔女の宅急便』のロケ地であったことも知ってい る。しかし恥ずかしいのであるが、醤油がこんなに有名だとは知らなかった。

姫路港から四国フェリーを利用して小豆島に向かった。およそ100分の船旅は、瀬戸の静かな海面を気持ちよく進んでいく。自称「晴れ男」らしくうららかな春の日、展望デッキで景色を眺めていたが、やはり寒い。早々に客室に戻り、小豆島の下調べに夢中になっている間に船は島に近づき、島の北東の福田港にOokadohanablog1着いた。フェリーからエンジンをかけて愛車で島に乗り入れるその瞬間は、何度味わっても胸が高鳴る。

最初に訪ねたのが大角鼻灯台である。鼻の東側から進む道もあったが、観光がてら西側に進んで観光地周辺を見ながら車を進めた。目に飛び込んできたのが『醤油ソフトクリーム』と言う看板である。道を挟んで両側に醤油蔵や工場が連なっている。名前も聞き覚えのある醤油メーカーばかりだ。灯台からの帰りに立ち寄って知ったのであるが、小豆島の醤油工場の歴史は古く、老舗の醤油メーカーが並んでいた。当然醤油ソフトクリームも食したが、皆さん想像されるように、甘みと塩辛さが絶妙で、癖Ookadohanablog2になりそうであった。ちなみに土産には、醤油サイダーなるものを買った(写真右中)。

灯台周辺に人の姿は無かった。道から灯台の頭が見えていて、道から一段下がった場所に灯台は立っていた。坂を下りて正面に回ると、鍵のかかった門で閉ざされている。一応周囲を見渡してから飛び越えて敷地内に入った。春霞の青空を背景に淡い新緑が清々しく、そして灯台の姿はそんな景観にも溶け込んでいた。灯台の奥には広場がある。昔の灯台守の住居跡でろうか?おかげで、灯台を異なった角度からカメラに納めることがOokadohanablog5 出来た(写真左中・下・右下)。

褒めてあげたくなるほど上手な鶯の鳴き声が響き渡っている。波の音など何も聞こえない穏やかな海面、春の柔らかい日ざしに浮かぶ新緑。小豆島に渡っていることを忘れて、このままゆっくりと寝転んで時を過ごしたくなった。

 

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2012年1月24日 (火)

馬島周辺の灯台

Botantoudai今回記事にするのは、しまなみ海道を南下し、四国に入る直前にある馬島周辺のUmajimaaroundchizu1灯台や灯標などである(地図右上参照)。以前、ウヅ鼻灯台だけを先にまとめたが、実は他の灯台には近づく事が時間的、或いは地理的に不可能であったため、写真撮影のみであった。そこで記事と言うよりは、馬島周辺の灯台や灯標、導灯などをまとめて写真で紹介することにした。

Umajima01小浦埼灯台:来島海峡第三大橋を今治側から渡り始めると、左手前方の馬島に立つ姿がすぐ目に飛び込んでくる。歩行者は橋の西側を通行するため、東側に立つウヅ鼻灯台は見えにくい。それに対して小浦埼灯台は、来島海峡展望所からもその姿が確認できる。馬島に近づくにつれて眼下に見えるようになる。

Umajima4_3州ノ埼灯台:同じく橋の左手前方に見えるが、馬島の北側であり少し小さく見えUmajima2る。それでも円柱状の灯台の姿は、島に渡る頃にははっきりと確認できる。私的には、橋から西側に立つ二つの灯台が見下ろせる構図は魅力的であった(写真右中二番目)

Umajima9小島東灯標:ちょうど来島海峡第三大橋の西側にある島が小島であり、その東(場所的には島の北東)にある。(小浦埼灯台、州ノ埼灯台と一緒に写真左側の島に見える赤い灯標)

Umajima5ナガセ鼻灯台:馬島の北東、来島海峡大橋の東側にあるため、歩行者からは見えない。島に渡って島の山を越えた斜面から続く鼻に立っている。時間の都合で近づけなかったが、中渡島潮流信号所の灯台の姿を右手に、左手に来島海峡大橋を背景に立つ姿のロケーションは素晴らしい(写真右三番目)。Umajima8

Umajima3来島中磯灯標:大橋から左手に来島、そして小島が見えるが、この間の海峡を来島瀬戸と呼び、この小島寄りに立っているのが中磯灯標である。遠くからではわからないが周辺には岩礁もあるようで重要な灯標である。

Umajima6中渡島潮流信号所:来島海峡第二大橋を渡るとき、馬島近くで、橋の東側に白い建物が斜面に立つ島が目に入るが、それが中渡島であり、潮流信号所である。馬島のナガセ鼻灯台からその姿がよく確認できた。Umajima11

Umajima10火内鼻導灯:少し離れるが、来島海峡第一大橋に北側からさしかかるときに見える灯台である。橋を渡るときに車内からも導灯が見えており、かなり高い位置にあるはずである。

以上、馬島を中心とした灯台関連の施設写真を中心にまとめた。時間があれば、ゆっくりUmajima12一つ一つ巡って、味わいたかったのはやまやまであるが、それでも私なりに楽しむことはできた。来島海峡大橋は、馬島に渡るには、徒歩か二輪となる。橋の支柱の部分である場所からエレベーターで降りるのである(写真右四番目と下:歩道からエレベーターへつながる車道の下の部分)。しまなみ海道が完成したおかげで短時間の間に馬島に渡り、いくつかの灯台を見ることが出来たが、いつの日がゆっくり時間が取れれば、近くまで行って味わいたいとも思う。

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2011年11月14日 (月)

カヤトマリ鼻灯台(愛媛県)

Botantoudai10月の連休を利用して、初めて灯台巡りに出かけたのは、千葉県の館山周辺だっKayatomari2た。特に館山港沖島灯台(今は廃止となったらしいが・・・)では、素晴らしい天気に恵まれ、本当に気持ちよい時間を過ごした。その思い出が良いためか、この時期に灯台巡りに出ることが続いている。今回は、しまなみ海道を南下して愛媛県今治に入り、来島海峡で四国とつながる大島にあるカヤトマリ鼻灯台を紹介する(写真右上)。海道からは少し離れた場所にあり、訪ねる人は少ないが、右手にはしまなみ海道の大三島橋が見え、景観はなかなかである(写真右下)。

Kayatomari1chizu前回のウヅ鼻灯台の記事でも書いたが、しまなみ海道と呼ばれる西瀬戸自動車道の橋は歩行者やサイクリングでも渡ることが出来るため、島々には多くのサイクリング者があふれている。暑いくらいのこの日も、多くの自転車が走っていた。伯方島から大島大橋を渡って入った自分は、すぐに49号線に出て、西の早川方面に進んだ(地図左上:Mapfanより)。周辺には自転車も多かったが、西に向かう数は少なかった。狭い箇所もあるが、対向二車線の道は島に沿って続いていて、どこからの景観も素晴らしい。Kayatomari5

ちょうど早川港を過ぎた海岸線から正面に灯台の姿が目に入った。灯台を数多く見てきた者であれば、それが小型の点灯式であることはわかるのだが、対岸の崖に青空を背景にして白く見える灯台は、私には大きく立派に映った。もちろんその印象は、近づいて道路から正面に見えてくると、薄れてしまったのであるが(写真右中)。

Kayatomari3灯台に近づくと、ネームプレートがどこにもない。反対側(海側)にあるのかもしれないが、まだ夏草が覆い茂り、足下も良くないため、確認できなかった。位置的にカヤトマリ鼻灯台だろうと思いつつも、カヤトマリの名称にその由来が気になった。後で調べたが判明しておらず、知っている方がみえたら教えていただきたい。前の記事のウヅ鼻灯台も、地図では渦ノ鼻と出ていたことから、『茅ノ泊』などと勝手な推測をしながらカメラを構えた(写真左下)。

道のすぐ横に立つ灯台と言えば、最近では熊本県島原の天草埼津港灯台を思い出すが、その形状は異なる。いずれにしても小型であるが、道路を走っているときに、この点滅が見えていることは興味深い。そう言えばAKB48のPVにも使われた千葉Kayatomari4県の州崎灯台を訪ねたときに、近くの民家の頭上を越えて光が海上に延びていく姿を想像したことがある。海のない町にに生まれ育った私としては、こう言った想像が次の灯台巡りへの活力になっている気もする。道もちょうどカーブになるカヤトマリ鼻灯台の点滅は、道路上の安全にも役立っているのかも・・・(写真右中)。

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2011年11月 1日 (火)

ウヅ鼻灯台(愛媛県)

Botantoudai広島県の尾道から愛媛の今治に続く島々のいくつかは、しまなみ海道によってつUduhana2ながった。とは言え、これらの島の周りは潮の流れが速く、船舶にとって難所であることには変わりがない。特に来島海峡の潮流は有名であるが、今ではそんな潮の流れを眼下に見ながら海峡大橋を渡り馬島に渡ることもできる。2年前の春、佐田岬灯台を巡った帰りに、この海峡を展望台から眺めて、近いうちに馬島に渡ろうと心に決めていたのであるが、この秋に訪ねることが出来た(地図左Uduhana6chizu上:Mapfanより)。今回は、馬島に渡って訪ねた渦ノ鼻(ウヅ鼻)灯台(写真右上)を、長くなるがこの日の行程も思い出してまとめてみた。

しまなみ海道を以前ブログ記事で、しまなみ街道と書いたが、本当に島の街と街を結び、Uduhana8瀬戸大橋や明石海峡大橋とは雰囲気が異なる。歩行者や自転車が通過できるため、格好のサイクリングやウオーキングコースでもある。私は尾道から灯台を巡りながら、最後に来島海峡にやって来た。お昼を回り、日射しが強くて暑い。徒歩で今治側から来島海峡大橋を渡ったのであるが(写真右2番目)、これまでの灯台巡りでかなりの距離を歩いており、気持ち良い汗を通り過ぎて、少々きつく感じた。Uduhana7更に早い朝食以後何も食べておらず、かなりお腹も空いてきた。それでも周辺の島々や遠くに見える灯標、行き交う船舶などの景観を楽しみながら歩き、半時間ほどで馬島に着いた。なんと島へはエレベーターで降りることができる(写真左2番目)。驚いたが、歩き疲れていた私にはとても嬉しかった。

馬島の名前は、江戸時代に今治藩が馬の放牧をしていたことから来ているが、草原が広がっているわけでもないこの島に、そんなイメージは全くない。私は、東にあるナガセ鼻灯台を確認してから民家がある南の方、ウヅ鼻灯台を目指すことにした。島に渡ってから誰とも出会わず、もちろん1頭の馬も見ていない。しかし、ウヅ鼻灯台を目指して歩いていると、ハイペースで歩くウオーキングスタイルのカップUduhana4ルが背後から近づいてきた。ちょうど灯台が正面に見え始めた海岸の手前で、缶ジュースの自販機があったため、空腹に耐えきれず、昼食代わりにジュースを2本買って、一気に飲んでいる時だった。「こんにちわ~」の声かけに返事をしようとしたら、思わずゲップが出てしまい、メチャクチャ恥ずかしかった。

Uduhana5灯台は、馬島神社の建つ南の丘に立っている(写真右3番目)。その階段を上ろうと近づくと、手前右に海岸に出られる堤防の階段があるのだが、そこに先ほどのカップルが腰を下ろしていた。来島海峡に架かる大橋を正面に見ながら左手には灯台の姿、そして砂浜が手前に広がっている。帰りにここで撮影しようと思いつつ、まずは神社の階段(写真左3番目)を登ると、社の右手奥に灯台が立っていた。

もう何度となくこのブログでも書いているが、本当に灯台と神社は近くにあることが多い。こUduhana1の社にどんな由縁があるのかまでは追求しなかったが、これまで見てきたのと同じく、神社と灯台が一緒に写っていても、私はその存在に全く違和感を覚えなかった(写真右4番目)。境内右手から灯台に近づける。昭和初期に立てられた重要な灯台であり、その存在を感じる以上に、『ウヅ鼻燈臺』と右から書かれた灯台のプレートに歴史を感じた(写真左4番目)。地図には、渦ノ鼻と載っていたことを思い出しながらしばらく灯台を見上げていた。

神社の階段を下りると、先ほどのカップルは、海岸へ降りる堤防の階段で、お弁当を広げて食べていた。ジュースで空腹は満たされていたが、少し羨ましく思いながらその横を通りUduhana9抜けようとしたとき、タイミング悪く!?先ほど飲んだジュースが胃から腸へ流れ込んだのか、大きなお腹の音となって聞こえた。カップルにも聞こえたかどうかはわからないが、再び恥ずかしい気持ちで海岸に出た私は、恥ずかしさも手伝い、黙々とレンズを広角に付け替えて灯台や大橋の姿をカメラに収め始めたのだが、時間は午後1時前。太陽はほぼ南にあり、逆光での撮影となり、お気に入りの写真は撮れそうにUduhana3無かった(写真右下)。

結局、馬島に滞在中カップル以外には、馬にも出会わなかったが、一匹のヘビが私の前を横切っていった。当たり前かもしれないけど、陸続きで無くてもヘビはいるんですね。ただマムシじゃ無くて良かった~。

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2009年8月 6日 (木)

波妻ノ鼻灯台(愛媛県)

Botantoudai 私が灯台を巡るようになったそもそものきっかけは、ドライブの目的地に灯台を選Namitsumanohanachizu1 んだことである。そのためなのか、これまでは車で移動して灯台を巡ることが多く、島へ渡っての訪問は確実に少なかった。そんな自分も、最近は島に立つ灯台への思いが強く、『灯台の立つ風景を訪ねてみませんか』のこちらのブログ(既に更新は終了しています)でもそのことを書いた。この春に佐田岬灯台を訪ね、愛Namitsumanohana2媛県の松山を通過する際、釣島灯台へ渡りたいと言う思い(地図右上:Mapfanより)があった。もちろん時間が無く不可能なのはわかっていたのであるが、その思いを持ちつつ今回紹介する波妻ノ鼻灯台(写真左上)に立ち寄り、西広島から山口県に向かって連なる島々(地図右中:Mapfanより)を眺めてみた。いずれゆっくりこれらの島を巡って行きたいと言う思いを込めて立ち寄ったのだった。Namitsumanohanachizu6

波妻ノ鼻灯台は、スポーツ関連施設の奥に立っている。坂道を登ったところに施設があるのだが、ゲートが設けられており、閉まっている場合は車が入れないだけではなく、不法侵入のように脇から入らなければならなくなる。幸い早朝にも関わらずゲートが開いており、あたかも職員の様に車を進めて、施設の駐車場に堂々Namitsumanohana5と駐車させていただき、そのまま裏山から続く波妻ノ鼻に踏み込んだ。少し奥まで進むと、比較的大きな木は伐採されていて、見晴らしが良く、ほぼ180度海上を見渡すことが出来た。ここから近くに見えるのは野惣那島や睦月島である(写真左中)。少し北に目をこらすと安居島らしき姿もあるが、どちらの方向にも、その後方に島々が連なっていることは十分に確Namitsumanohana3認できた。立ち寄ったのは早朝7時頃であり、まだ朝日の余韻が海上には漂い、灯台が薄い橙に染まっているのと同じように、海も春の霞が染まっているように見えた。

波妻ノ鼻灯台についての情報は持ち合わせていなかったのであるが、灯台のプレートはかなり浸食が進んでいて判読も難しい状態(写真右下)である。見晴らしが良い埼ではあるが、好んで訪ねる人は少ないかも知れない。

暖かな日が続いた4月初旬のこの日。緑が鮮やかに感じ始Namitsumanohana4める木々の葉や山つづじなど春を感じながら波妻ノ鼻灯台を訪ねた。海上に連なる島々を眺めて、いつの日かそれぞれの島へ渡ることが叶うようにと言う願いを持ちつつ訪ねたこの地ではあるが、目の前に広がる朝日を浴 びた灯台の立つ風景(写真左下)を、ただこの時は味わい楽しんでいた様な気がする。

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2009年7月17日 (金)

佐田岬灯台(愛媛県)

Botantoudaiどんな灯台でも訪ねる機会さえあれば、行ってみたいと思う。しかしそんな機会がSatamisaki9 なくても、早く訪ねたいと思う灯台がいくつかある。今回紹介する佐田岬灯台(写真右上)は、そんな灯台の一つであった。四国の西側で細長く九州大分に向かって延びる佐田岬の先端に立つ(地図左上:Mapfanより)立地条件こそが、私にその思いを抱かせていた。2009年の4月に広島県福山を訪ねる機会を持ち、私は迷わずにしまなみ街道を渡り、松山を超えて佐田岬まで足を伸ばす計画をたてたのだった。

春霞の晴れた日、満開を過ぎた桜を見ながらの心地よいドライブで佐田岬を目指した。既に紹介した女子鼻灯台室ヶ鼻灯台は後回しにして、とにかく早く佐田岬灯台がSatamisakichizu1 見たくて車を進めたのだが、山頂を縦断する様に走る197号線(地図左上:Mapfanより)は、左右に海の景色を見下ろしながら楽しめ、そんな私の気持ちを更に盛り上げてくれるドライブコースだった。

佐田岬の先端に近づくと道は狭くなり分岐している。私は地元案内表示に従って道を進Satamisaki3め、最後に駐車場にたどり着いた。南向きの駐車場で右手方向に、そこから先に続く岬と灯台の姿が一部確認できた(写真右二番目)。今から佐田岬灯台の立つ景色を見られると言うときめきを抑えつつ、大型の三脚を縛り付けた重いカメラリュックを背負い、不必要と思ったが杖も持って歩き始めた。灯台に続く小道は整備されてSatamisaki4 いて杖は必要なさそうであった。飲料自販機の近く以外にも所々に青いゴミかごが設置され、『ゴミを捨てるな』と書かれている。それを設置しなければならないという事実が少し悲しかった。

灯台への最後の岬を登る手前に、海岸が見渡せる場所がある。透き通った海の色が心地よく感じ、カメラを向けて(写真左二番目)いると、ご夫婦Satamisaki8と思われる二人が追い抜いて行った。お二人ともかなり早歩きのようだ。二人の後を追うように灯台へ向かうと、灯台が見下ろせる椿山へ登る道と、そのまま灯台に向かう道に分かれていた。お二人が椿山に向かったため、私はのんびりとカメラを向けながら灯台に近づいたのであるが、灯台手前の敷地で三脚を組んで撮影しSatamisaki6ていると、すぐにお二人はやって来て、そのまま灯台に向かった。結局しばらくお二人の姿が消えるまで、そこで待機することにしたのであるが、数分も経たない間に戻ってみえ、そして足早に帰り道に消えていった。

誰も居なくなった灯台手前の階段下から写真を撮って(写真右三番目)いると、神島灯台を思い出した。あの時も同じ様に霞んではいたが晴天だった。灯台の真下から見ると六角形の灯Satamisaki5塔は、遠くから見るよりも高く感じ、力強い。横に設置された黄金碆照射灯も、後方から見ると箱形であるが、前面から見ると六角形に見えるように作ら れていて、妙に感心してしまった(写真左三番目)。海上に向けて目をこらすと黄金碆もかろうじて見ることができた。

椿山へ登る途中で木々の間から写真を撮った(写真右下)。ちょうど灯台と同じ高さで、周Satamisaki7辺のイメージもつかみやすい。続いて椿山に登ると、眼 下に灯台の姿が際立っている(写真左下)。西向きに見下ろしているわけであり、まだ午前11時前であるが、夕焼けのこの景色を想像すると、このままその時間までいたいと思った。しかし女子鼻や室ヶ鼻灯台も訪ねて今日中に自宅に戻らねばならない。春霞であるが故に、夕焼けも難しいかも・・・などと自分に言い聞かせて帰路につくことにした。帰りの坂道は、そんな思いに加えて、重いリュックが足取りを重くした。杖を持ってきて良かったのかもしれない。

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